「その日は夕方から合流して、一緒に晩御飯を食べる約束をしていました。でもお店を決めていなくて、しばらく道頓堀をウロついていたんです。A男は亭主関白ぶるくせに、優柔不断なタイプでしたから（笑）。歩いていると、飲食店のキャッチの男性に声をかけられました。無視するのも悪いなと思って、声かけに応じてしまったんです」 　その態度が気に食わなかったのか、隣にいたA男が烈火の如く怒りだした。 「いきなり、『俺が無視してんのに、お前は愛想を振りまくんか？ お前は俺についてくるだけでええねん！』って。でも結局、キャッチされたお店に行ったんですよ。自分も断らんのかい！ っていう（笑）」 　店に案内されたものの、終始無言で機嫌が悪そうなA男。気まずさで苦しくなりながら、お通夜状態で食事を済ませたという。しかし、話はこれだけで終わらない。 「帰り道でもずっとキレていて……後ろをついて歩いていると、突然目の前にあったビルの壁を殴られました。何度も殴りながら大声で、『俺の怒りは甘い物じゃないと収まらん！ 今すぐ買ってこい！』と……」 　衆人環視の中、理不尽な理由で責め続けられ、恐怖を感じたうさたそさん。近くに有名なシュークリーム専門店があり、そこまで買いに走らされたそうだ。 「駅まで一緒に歩きながらシュークリームを食べたんですが、砂みたいな味しかしませんでした……。A男は本当に機嫌が直ったみたいで、笑いながらずっと嫌味を言っていましたし。私は半泣きで愛想笑いするしかなかったです。楽しくご飯を食べたかっただけなのに……」 　A男はその後2ヵ月ほど付き合ったものの、彼の浮気で破局を迎えた。浮気相手はうさたそさんの友人だったそうだ。