「でも彼女は『家族が倒れた』とか『会ったとき返すから』とかいろんな理由でつけてずっと僕にねだってきました。今考えたら怪しいんですけど、当時僕必死で……」 　彼女を逃したら次はないと思っていた広大さん。Sさんのお願いを断り切れず、結局有料アイテムを買い続けたといいます。 　そんな生活が続いていたある日、広大さんはある行動を起こします。 「アイテムをねだってくる以外は、本当に申し分ない子だったし、会ったときに返してくれるっていう言葉を僕はまだ信じていました。だからデートに誘ってみたんです。そうしたら彼女も会いたいって言ってくれて。すごくうれしかったし、安易だった僕はそこで騙されてなくてよかったって安心してしまったんです」 　完全にSさんを信頼しきってしまった広大さんはデート当日までにもさらに有料アイテムをプレゼントしたといいます。 「デートに誘われたことで、僕が彼女に好意があることを確信したのか、彼女のLINEの返信ももっと甘い感じになって。気をよくした僕は、彼女に言われなくても自分からアイテムをプレゼントするようになりました。でも今考えるとそういう作戦ですよね。もう僕はまんまと彼女の作戦にハマってしまって」 　広大さんとSさんはデート当日、映画館で10時に待ち合わせしていたといいます。 「僕が10時ちょうどくらいにいったんですけど、彼女はまだ来ていなくて。それからしばらく待っていたんですけど、全然来なくて。僕が時間や日付を間違えているのかなって思って連絡したんですが、返信もなくて。2時間経っても来なかったのでその日は家に帰りました」