突然の彼女からの申し出に思わず理由を聞いたという大山さん。すると彼女は焦った様子でこう答えたという。 「一緒に住んでいる母が突然倒れたというんです。まだ終電があるので今日は帰りたいという祥子に僕は問い詰めることもなく帰すことにしました。僕はすでに終電がなかったので、指輪とともにホテルに1人取り残されました。 　本当は2人で開けるはずだったシャンパンを飲みながらしばらく呆然としていたのですが、どうも祥子の言ったことが本当のこととは思えず、つい友人に電話をしていたんです。その友人は以前、浮気調査に勤めていたことがあるヤツで、酔った勢いもありつい祥子の身の回りを調べてくれと言ってしまったんです」 　そして大山さんは、驚くべき事実を知ってしまう。 「結果はクロでした。それどころか祥子は2股をかけていたそうです。さらに実家暮らしというのは大嘘で、どうやら男と同棲しているようでした。誕生日に突然帰ったのは同棲している彼氏に外泊したら2股がバレるとでも思ったんじゃないですかね。 　僕と付き合ったのは外泊をしないから2股をかけるのに都合が良かったんだと思います。さらに友人からコンビニでバイトしているのも嘘だと聞いて、よほど外泊をしたくなかったんだな……と思いましたよ……」 　その後、祥子さんから連絡は来たものの返信することはなくそのまま連絡を経った大山さん。婚約指輪は返品できなかったものの、質屋で売って少しは返金されたという。 「まぁ、その3分の1は浮気調査を頼んだ友人に報酬として支払いましたけどね……。でも、その後も騙されて付き合っていたらかなりの金額がかかっていたと思うので、調査して良かったと思うしかないですよね……」 　出会いの場が多い現代だからこそ結婚相手は慎重に見極めたいもの。大山さんに早く次の恋人ができることを願うばかりだ。＜取材・文／結城＞