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入社9日で辞めた新入社員「尊敬できる先輩は誰もいませんでした」――モンスター新入社員ベスト10

最初で最後の給料が振り込まれ…

退職願 退職前に、新卒採用担当者やエリアマネージャーにも職場環境や仕事内容について相談していたが、「次第に慣れる。もう少し頑張れないか? 一緒に良い環境作りをしていこうよ」と言われたそうだ。「1年後には都内勤務か本社勤務も選べるから」と言われたが、信じられなかったという。  エリアマネージャーとの相談で辞めたい気持ちがさらに強まったももさんは退職の意向を固めた。その日さっそくLINEで退職代行サービスに登録。翌日、退職すると伝えて欲しいと依頼した。 「翌朝、退職代行業者から『希望時間より10分程早めに退職を伝えた』とLINEで連絡がきました。そして伝言で、退職届などの郵送物を確認次第、手続きをすすめるとのことでした」  退職の連絡を受けたのか、勤務先のエリアマネージャーから何度か電話が入っていたそうだが、出なかったそうだ。その後、淡々と言われた通りに書類を郵送。退職届や要望書は代行業者が雛形を送ってくれ、手間はかからず、名前、住所、印鑑を押すだけだった。  翌月、最初で最後の給料が振り込まれ、その2週間後に離職票が届いた。退職代行で退職を伝えてから約2か月で全ての手続きが完了した。 「初めて使うもので、身近に使ってる人もいないので不安もありました。もしこれで辞められなかったら気まずいとも思いましたが、直接言うのは絶対無理だったのでとても助かりました」  退職直後はとりあえず安心したが、無気力感や脱力感で何もできなかったそうだ。SNSで上手くいっている同世代を見るのがとにかく辛かったのだとか。  それでも2週間後、将来について改めて考え始め、転職サイトに登録。退職からなんと1か月後にはIT企業での採用が決まった。採用が決まってからもコロナの影響で入社日が先送りになる中で、「起業の夢を持つようになった」と話す。 「入社まで時間があったので、今できることをしようとツイッターで同じ悩みを持った人の話を聞くようになりました。いろんな方が相談にきてくれて、元々カウンセラーになりたかったので、誰かの為になっていることが嬉しかったです」  先輩社員からすれば、すぐに辞めてしまう社員を理解できないのかもしれない。しかし、辞めるのにはそれなりの理由があり、大きな決断が存在している。もしも若手がすぐに辞めてしまうことがあれば、職場環境などを見直すサインなのかもしれない。<取材・文/星谷なな>
5歳の頃からサスペンスドラマを嗜むフリーライター。餃子大好き27歳。 たまに写真も撮ります。
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