――そうやって始まったエクストリーム出社は、SNSを通じて多くの人が楽しむ遊びになりました。見聞きした中で、ワクワクしたのもはありますか？ 天谷：普段は電車で横浜から東京に通勤している方がすごかったです。一旦、東京とは逆方向の電車に乗って久里浜まで行って、久里浜からフェリーで千葉まで行って、内房線で東京の会社に出勤した人がいました。 ――西村京太郎サスペンスみたいな移動方法ですね（笑）。 天谷：普段なら15分で着くところが4時間かかったそうです（笑）。移動手段やグルメだけではなくて、登山や釣りをしてから出社するアクティビティ系の方もいました。 ――レベルが高いですね。初心者向けの出社方法も教えてください。 天谷：普段とちょっと違うルートで行くだけでも、気分は変わりますよ。いつもの通勤路線を、乗り換え案内で検索して、オプションで「特急」というチェックを外して鈍行だけで通勤してみたり。あとは、各駅しか電車が停車しない駅を、あえて経由駅として設定することで乗る電車が変わって、見える景色がガラッと変わります。 ――これから夏ですが、夏向けの出社方法はありますか？ 天谷：夏は明るくなるのが早いので、エクストリーム出社の季節です。早朝の海水浴場でひと泳ぎしてから会社に行くのもいいですよ。始発で湘南に行って泳ぐんです。「今日は10時から大事な会議がある」と思いながら、海で泳いでいると、すごい気持ちになりますよ（笑）。 ――昼間や週末は混む海水浴場も、平日の早朝だと空いていそうですね。 天谷：そうなんです。湘南でも貸切気分を味わえます。泳ぐのもいいですが、スイカ割りも楽しいですね（笑）。出勤前にスイカ割りするとなぜかヤバイことをしてる気持ちになって、ドーパミンがめちゃくちゃ出ますよ。 ――会社で真面目な顔をする分、なるべくアホなことをする方がドキドキできそうですね。 天谷：僕は、誰もいない平日早朝のお台場海浜公園で、一人でやりました。 ――泳いだりは一人でもできますが、スイカ割りってそもそも一人でやることじゃないですよね（笑）。 天谷：誰も「もっと右！」とか言ってくれる人がいない中で、一人で目隠しをしてやっていました（笑） ――ひとりでやるのはハードルが高いですが、その日会議をするメンバーで、朝スイカ割りをすると、会議でも自由な意見が忌憚なく出そうですね。