大阪の舞台を増やして後悔!? 『クロヒョウ2』プロデューサー
―[小川陽二郎氏インタビュー]―
ゲーム業界のキーパーソンが登場! 【 トップクリエイターの仕事場】
⇒前編はコチラ https://nikkan-spa.jp/180821
『クロヒョウ2』プロデューサーはジャングルクルーズの船長だった
◆【後編】 「大阪・蒼天堀」
『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』では、前作の舞台・神室町の他に、新たに大阪の歓楽街・蒼天堀も加わっています。もともと『1』の発売時に全国を回る機会があったんですが、大阪の方々が一番熱くて、「なんで大阪が出てこないんだ」とグイグイ迫られまして(笑)。実は『1』のTVドラマ版の視聴率も大阪がすごくよかった。どうやら大阪って土曜の昼に極道ものなんかのVシネとかが放送されていて、そういうものを毎週の楽しみに見る文化があるって聞いたんで。これは入れるしかないですよね。
ただ決めたはいいものの、単純に作業が2倍になったわけで、途中で後悔しました。『2』の背景はすべて新しく作り直していて、神室町だけでも200枚以上、しかも新規の蒼天堀……。もういろいろと泣いてました(笑)。
大阪・蒼天堀を筆頭に、今回はとにかく山のようなボリュームがウリです。麻雀、パチスロ、キャバクラと、ずっと長く遊べるクオリティのものがまるまる入っています。その中でも一番の見どころはシリーズ総合監督の名越が書き下ろした熱いドラマ。名越が込めたメッセージをぜひ感じてください。
最後は、僕のこれからの目標というか思いなんですが、3・11の直後、ゲーム業界ってお金を寄付したのは良かったんだけど、クリエイター自身が何かできないかなぁと。マンガ家が現地でマンガを描いたり、ミュージシャンがライブをするようなことができたらなぁと思ってました。まぁ、結局うまくいかなかったんですが。だからこそ、ゲームはただの暇つぶしではなく、みんなが凹んだときこそ勇気づけられるような、人に必要とされる文化に育てていきたいと思っています。そういう気持ちでこれからも精進したいですね。
【小川陽二郎氏】(セガ)
’95年、セガにプランナー入社。『ソニック』チームを経て、『クロヒョウ』プロデューサーへ。『君のためなら死ねる』なども手掛ける
(C)SEGA
『クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編』 ゲームの中なら“ワル”になれる! |
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