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「猫好きの人ほど猫に嫌われる」英研究はウソかホントか?専門家に聞く

人間も猫も同じ

猫を撫でる キジトラ白 では前提として、今回の研究で嫌がる部分とされている部分を触ると、実際に猫は嫌がるものなのか。服部氏は長年の臨床経験から次のように所感を話す。 「一般論として嫌がることは多いといえますが、嫌がることもあるけど嫌がらないこともあるというのが実際のところでしょう」  SNSでも「うちの猫は、お腹を触っても嫌がったりしない」という声も多く見られたのは事実。では、嫌がるのか否かは何によって決まるのだろう。服部氏は、人間に置き換えてみるのがわかりやすいという。 「人間でも、知らない人に触られる場合を想像すると、初対面で背中をポンと触られるより、お腹をポンと触られる方が嫌ですよね。動物の多くはそこに内臓があるから、お腹を触られることに抵抗があります。しかし、赤ん坊が母親にお腹を触られても嫌がることが少ないように、気を許している人であれば、抵抗は少なくなります。猫も人間も同じだと考えていいと思います」

情報よりも目の前の猫と対峙すること

 人間と同じように考えて接するという考え方は、触れる部分についてだけではなく、コミュニケーションの取り方にも言えるという。猫を可愛がる際に、顔を近づけて目を合わせるようにする人もいる。動物にとってこれは、本能的に危険を感じるとも聞くが。 「これも人間で考えてみてください。例えば、長い間会えなかった恋人と久しぶりに会えたら、顔を寄せるのも嫌ではないと思います。でも、長年会っていなくても、何度かあったことがあるだけのおじさんに、顔を近づけられたら嫌ですよね(笑)。猫も同じで、一概にその行為だけを取り出して、いい悪いは判断できません」  インターネット上に情報が溢れている現代だが、そこにある「情報」よりも目の前の猫と対峙することが重要ということだ。
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猫が発するサイン
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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