更新日:2022年12月15日 20:42
仕事

元セクシー女優の転職後。“普通の仕事”を経験した後「セクシー女優業」に思うこと

 フリーライターのたかなし亜妖と申します。WEBコラムや映画・漫画レビュー、時にシナリオなどジャンル問わず文章を書く日々です。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。なんとなく入った業界で気づけば2年半が経過したところで、引退を決意しました。  その後は何事もなかったかのようにシレッと昼の世界へ出戻り。ライターになり早4年が経とうとしています。   前回までの4回で、セクシー女優の引退転職エージェントでの屈辱過去を隠して臨んだ面接、そして転職後の給料などについて綴ってきました。  本連載最終回となる今回は、フリーライターとしての始まり、そしてセクシー女優として活動していた過去を振り返って思うことを書いていきます。

仕事のために都内を駆け回る、フリーライターとしての始まり

たかなし亜妖

元セクシー女優で現在はフリーライターとして活動するたかなし亜妖

 シナリオライターとして会社に在籍し、クラウドソーシングを利用して外部でも仕事をするようになっていたときのこと。  クラウドソーシング上で仕事をした相手と、直接やり取りをすることは原則禁止となっていた。が、ある程度案件をこなすと「ウチと直に仕事をしませんか」と持ちかけてくるクライアントの多いこと多いこと。利用者たちはみんな、サイトを経由して仲介手数料を取られるのが嫌なのだ。  もちろん私もその1人だったが、ルールを犯すのはあまりいい気分ではない。それならいっそクラウドソーシングとは関係のないところで、自分で仕事を取ればいいのでは? と思い始めた。  ライター募集するウェブサイトを探し、片っ端から応募。どうしても興味がある媒体が募集ページを設けていなかった時は、メールで直接応募を受け付けているか聞いた。  すぐに仕事へ漕ぎつけるパターンもあれば、テストライティングを終えた後音信不通という悲しき事態にも見舞われた。  要面談の場合は仕事後や有給を使って出向いたけど、それでも依頼がくる保障はない。実際に「必ず連絡しますね」と言われて早数年が経過するケースも起こり得る。  当時は物凄く必死で、ライターとしての足場を固めるべくあちこちを駆け回った。  面談、テストライティング、そしてようやく獲得した案件をこなすと1日24時間では足りない気がしたけど、毎日が充実していたのは確かだ。「辞めたい」の4文字が頭に浮かんだことは不思議なことに一度もない。  バタついた日々を過ごしていると、1日おろか1週間、1カ月が過ぎていくのはあっという間。気づけば季節が巡り巡っていて、いつしかセクシー女優をしていた事実が頭から飛ぶ日がどんどん増えていった。

シナリオ担当を外された。猛抗議の末、ポジションを死守

 社外での活動が軌道に乗ってきたところで、ある事件が発生する。  なぜかチームではライターズバンクにシナリオを外注する話が浮上しており、私をゲームの演出担当に回すと言うのだ!  執筆したシナリオの評判は悪くなかったのに、なぜ……。上長たちの提案には他のメンバーからも疑問の声が上がったものの、決定が覆ることはない。ふてくされた私はこの時初めて辞めたいと思い、死んだ魚の目で出社する日々が続く。  しかも納品されたシナリオは完全に二次創作ノリ、いわば同人誌のような内容で、当時ペーペーだった自分から見ても酷いものだった。とても公式マークをつけられないようなストーリーにチームメンバーも顔を引きつらせる。  先方に二度三度書き直しを要求しても、テイストが一切変わらない。最終的に私がほぼ全てを書き直すという意味のない手間がかかり、外注費もムダになってしまった。  これで茶番が終わるかと思いきや、上長の1人が「今回のは事故で、もう一度お願いしたらいいものが仕上がるのでは」と言い始め、メンバーが大反対のなか二度目の依頼をする暴挙に出てしまう。  案の定全く同じオチが待ち受けており、私はタイムリープ系漫画の主人公になったかのような気持ちに襲われた。「あれ、過去に戻った……?」と。  さすがに堪忍袋の緒が切れる寸前だったため、アルバイターの身ながら猛抗議。必殺“辞めてやる”の言葉は出さずに済んだが、上の人間を説得するのは少し労力がかかった。  あの時シナリオ担当を外されそうになった理由は今でも分からない。私は自分自身を説得させるために、ライターズバンクの営業担当と上司は大人な関係にあったのだろう、と思い込むことにした。
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セクシー女優の過去を振り返って思うこと
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元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
Twitter:@takanashiaaya

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