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香川照之セクハラ騒動にみる「有名人の銀座の飲み方」昔と今で変わったこと

昔のほうがスキャンダルはドギツかった

ル ジャルダン、望月明美ママ

ル ジャルダン、望月明美ママ「香川さんの件で新しい要素があるとしたら、『芸能人がCM降板まで追い込まれた』という点」

──銀座が他の繁華街と異なる点として、スポーツ選手や政治家など顔が割れている人でも情報が漏洩しづらいため、安心して飲めるという面があったと思うのですが。 河西 それはどうでしょうか。人の口に戸は立てらないから、昔から噂話はすぐ広まっていましたけどね。何か事件が起こったら、銀座だろうがどこだろうと表面化は避けられないです。 白坂 むしろ昔のほうが、銀座関連のスキャンダルは内容的にもドギツかった気がしますよ。石原慎太郎さんや金丸信さんの時代から、政治の世界と銀座の街は切り離せないわけですし。 望月 「事務次官がホステスを妊娠させたけど30万円しか支払わなかった」とか週刊誌の記事にもなったじゃないですか。香川さんの件で新しい要素があるとしたら、「芸能人がCM降板まで追い込まれた」という点。これが鶴田浩二さんとかの時代だったらスルーされていたと思います。 甲賀香織(以下、甲賀) う~ん……。時代が違うと言われれば、それまででしょうけどね。

大物俳優の彼女を自称するホステスで溢れていた

日本水商売協会代表理事・甲賀香織さん「有識者のなかでも調子はずれの批判が見受けられました」

望月 石原裕次郎さんの彼女を自称するホステスなんて、銀座にゴロゴロいましたから。田中角栄さんの隠し子と噂される存在も何人かいましたし。そういう角度で考えたら、香川さんは可哀想だなとも思うんです。やっぱり今の日本人にも、もっと大きいスケールで遊んでほしい。それは芸能人だけじゃなくて、代議士の方や作家の先生も同じ。遊び方が小さいから、お仕事のスケールも小さくなっている気がするんですよ。 白坂 昔に比べると、世知辛くはなりましたよね。40年前の銀座は本当に賑わっていましたから。バブル時代は接待費もたくさん使えたし。夜になると並木通りが人混みで歩けなくなるほどでしたし。要するにバブルの頃は、お金が溢れかえっていたんでしょう。 甲賀 まぁでも香川さんの件で銀座のことがこれだけ注目されたのは、それだけみんな興味あるんだと私は前向きに解釈していますけどね。有識者の方も、銀座のことをわかっていない人に限って調子はずれな批判をしているようですし。 望月 本当にその通り! 銀座というのは「水商売甲子園」ですから。いきなり銀座でキャリアをスタートさせるわけではなく、福岡、札幌、大阪、新宿などで客商売をする中、「君って銀座向きじゃない?」などと言われて流れ着くケースが多いんです。夜の蝶にとっては、憧れの聖地でもあるんですよ。 河西 銀座から元気なくなると、日本に元気がなくなるのは事実。銀座にいればエッチなトラブルも含めていろんな事件が起こりますけど、沈んだ世の中に活力を入れられるように私たちなりに盛り上げていきたいです! +++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 白熱した議論が続く中、「本当にそんなことがあるのか?」と目を丸くするような発言も飛び出した。驚く取材陣に対し、「『女帝』(原作:倉科遼)という漫画を読まれたことがありますか? あれ、ほぼ事実ですからね」と平然と言い放つママの姿が今でも目に焼き付いている。事実は劇画より奇なり。水商売甲子園には独特の磁場と男たちを引きつけてやまない魔力が働いているのかもしれない。 <取材・文/小野田 衛 撮影/渡辺秀之>
出版社勤務を経て、フリーのライター/編集者に。エンタメ誌、週刊誌、女性誌、各種Web媒体などで執筆をおこなう。芸能を中心に、貧困や社会問題などの取材も得意としている。著書に『韓流エンタメ日本侵攻戦略』(扶桑社新書)、『アイドルに捧げた青春 アップアップガールズ(仮)の真実』(竹書房)。
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