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香川照之セクハラ騒動にみる「有名人の銀座の飲み方」昔と今で変わったこと

「銀座セクハラ騒動」によって香川照之の芸能活動がピンチに陥っているのはご存知の通りだが、この一件では思わぬ副産物も生じることになった。「示談で納まったのに事件が表面化するとは、銀座のモラル低下も甚だしい」「水商売で高いお金を払っているのだから、ブラジャーを取られることくらい当然」「もっとひどい飲み方をしている人はいるのに、なぜ香川照之だけが問題視される?」などと“銀座クラブでの遊び方”そのものについて侃々諤々の議論が交わされたのだ。 そこで日刊SPA!では銀座で働くオーナーママ3人と夜の街事情に明るい有識者1人を緊急招集して、忌憚なき意見をヒアリング(香川照之「ホステス性加害」事件。銀座のママたちはどう見る?<緊急座談会>)。後編となる今回は、さらに踏み込んで“ネオン蝶の事件簿”と“銀座の流儀”を語り尽くしてもらった!

(写真右から)クラブアムール・河西泉緒ママ、クラブ稲葉・白坂亜紀ママ、ル ジャルダン・望月明美ママ、日本水商売協会代表理事・甲賀香織さん

きれいな飲み方をする有名人とは

──香川さん以外にも多くの著名人が銀座には訪れているはずです。インパクトのある飲み方をしていた方はいますか? 河西泉緒(以下、河西) 某ジャニーズのタレントさんは、まだ若いのに来るたびに必ず高いワイン5本とシャンパン5本を入れてくれたんです。お店でも明るくて楽しい飲み方をするし、評判はすごくよかったですよ。 白坂亜紀(以下、白坂) やっぱり銀座の有名人といえば、みのもんたさんじゃないですかね。本当に毎日のように通ってくれるし、とにかくいっぱいお金を落としてくれるんですよ。そういう意味じゃ、すごくありがたい存在。飲み方も豪放磊落で、クラッシュアイスにブランデーを注ぎ、そのまま飲むんです。さらには女の子にも大量に飲ませる。お店の女の子が潰されちゃったらたまらないから、ピンチヒッターとして途中から私が飲むことになりますけど(笑)。 望月明美(以下、望月) スポーツ選手に関しては、キャリア的に苦労している選手のほうが飲み方は綺麗な傾向があるかもしれない。たとえばボクサー。彼らはハングリーに自分の力で地位を築き、スポンサーも苦労しながら集めているわけですよ。選手生命も短いですし。それに比べるとお相撲さんとか野球選手とか、伝統的に組織が強いスポーツ選手のほうが、気遣いに欠けた飲み方をする傾向はあります。

クラブ稲葉、白坂亜紀ママ「みのさんは飲み方も豪放磊落でした」

飲んでいてもスマートな自分を演じる

──角界はタニマチ文化ですからね(笑)。 望月 もちろん全力士がそうだとは言いませんよ。でも座っているだけで周りが喜んでくれるような環境で育つと、どこかで感覚が麻痺してくるんだと思う。これは芸能人にも同じことが言えて、今も苦労されている方はもちろんですが、一時期は売れたけどダメになった人とかも銀座の評判はいいんです。逆に芸事のように“守られているジャンル”だと、勘違いされているんじゃないかと思うような方も見受けられます(苦笑)。 河西 今は香川さんが叩かれていますけど、私の中で俳優さんは綺麗な飲み方をするイメージがあるんです。彼らは演じるお仕事じゃないですか。飲んでいても、スマートな自分を演じることができるんでしょうね。たとえば芸能界の裏話みたいな話をしていても、絶対に他人の悪口は言わないことが多い。そういうのって人として信用できますから。 ──勉強になります。他に「銀座のママが教えるモテる飲み方」は、どんな要素がありますか? 白坂 店全体の様子を把握して、気を遣える方はモテますね。「そろそろ混んできたみたいだね。また来るよ」と言って、お会計を済ませたり……。 望月 ベタかもしれないけど、指名してくれる方。足繁くお店に通ってくれる方。同伴してくれる方。商売ですから、お金を使ってくださる方はやっぱりありがたいですよ。 河西 あとはガツガツ口説こうとしない方もモテますね。銀座は女性を口説こうとしているお客様が多いから、逆に目立つんです。女性側としては「え? なんで口説いてこないの?」てモヤモヤしちゃう(笑)。 白坂 亡くなった渡辺淳一先生も銀座ですごくモテた方なんですけど、まさにその典型例。「僕は普通にお店に通っているだけだよ。そこで必死に口説こうとはしないだけ」っておっしゃっていました。

クラブアムール、河西泉緒ママ「私の中で俳優さんは綺麗な飲み方をするイメージがあります」

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昔のほうがスキャンダルはドギツかった
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出版社勤務を経て、フリーのライター/編集者に。エンタメ誌、週刊誌、女性誌、各種Web媒体などで執筆をおこなう。芸能を中心に、貧困や社会問題などの取材も得意としている。著書に『韓流エンタメ日本侵攻戦略』(扶桑社新書)、『アイドルに捧げた青春 アップアップガールズ(仮)の真実』(竹書房)。

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