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松浦亜弥(36)、13年ぶりの新曲をリリース。夫・橘慶太だからこそできた「新たな作風」

大人になった「松浦亜弥」に似合う楽曲

松浦亜弥

松浦亜弥『Addicted』/Warner Music Japan Inc.

 そして「Addicted」はもう一つ大切なことを教えてくれます。それは、いつまでも“あやや”というキャラを消費するのではなく、現実の生活に根ざした一人の女性として表現することです。  音楽を洋服にたとえるなら、やはりその年齢、生活パターンにふさわしい装いがあるはずです。どれだけ10代、20代に人気絶頂だったからといって、いつまでもそのときの格好をしているわけにはいきません。色合いやシルエット、生地の素材、年齢や経験を重ねることで似合うものは変わっていきます。  音楽もそれと同じで、きちんと音を成長させないとアーティストとの間にズレが生じてしまう。橘慶太はそのギャップを埋めたというわけなのですね。

著名な海外アーティストたちも「アップデート」してきた

 このように身の丈に合った音楽でそのつどバージョンアップしていく方法は、テイラー・スウィフトやワン・ダイレクションのメンバーのソロ活動などを振り返るとよくわかるのではないでしょうか。  カントリーソングでティーンの恋愛を歌っていたテイラーが、いまではエレクトロポップサウンドで30代の心の内をさらけだす。ワン・ダイレクションは、各々の表現をそれぞれのジャンルで追求している。自我が育っていく様が曲でたどれるキャリアを形成しているのですね。  結成15周年を迎え、今年12月にアルバムをリリースするK-POPのKARAの復活劇も印象的でした。彼女たちの場合はビジュアルから変えました。白シャツにデニムというシンプル極まりない服装で、ガールズグループからの成長を伝える。当然曲の質も変わってくるはずです。
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人といっしょに音楽も変わっていく
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音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4

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