更新日:2024年11月14日 16:29
恋愛・結婚

タイで少数民族の男性と8歳の「年の差婚」した日本人女性。紆余曲折を乗り越えて

窮地を救った常連客からのメール

薬草サウナ

薬草サウナもパパイヤヴィレッジの自慢のひとつ

 自分がなんとかしなくては……。この窮状を脱するために手を尽くした。ゲストハウスに併設していた薬草サウナを地元の人たちにも開放した。
ひろ子さんと夫のシンさん

ラオスでは、伝統療法のひとつとして古くから薬草サウナが親しまれてきた

 和菓子や弁当の製造と宅配も始めた。しかし、どちらもあまりうまくいかなかった。もはや万事休す。そのときに彼女を救ったのはパパイヤヴィレッジの以前の常連客からの1通のメールだった。  その常連客はパパイヤヴィレッジを訪れるといつもチェンコーンの生地などの特産品を大量に買い付けていた。が、コロナ禍で行けなくなってしまったため、代わりにひろ子さんに買い付けをしてもらいたいという。喜んで引き受けた。そしてその仕事で大きな利益をあげ、ゲストハウスの増築までできたのである。

「私の旅はまだ終わっていない」

食事

みんなで団らんの夕食。写真左が筆者・小林ていじ

 それからしばらくしてコロナの規制も徐々に緩和され、パパイヤヴィレッジに客足も戻ってきた。幾多の困難を乗り越えてようやく手にした平穏な生活。2人の娘もチェンコーンの自然に囲まれてスクスクと育った。長女は今年から親元を離れて大阪の高校に進学。次女は来年チェンコーンの小学校に入学する。シンさんにも再びツアーガイドの仕事が入るようになった。
大自然

周辺には大自然が広がる

猫

猫たちもたくさんいる

 そしてひろ子さんはゲストハウス経営と子育てで充実した日々を送っているのだが、今後の抱負についてはこう話す。 「また旅に出たいんですよね。旅の途中で立ち寄ったチェンコーンで恋に落ちてゲストハウス経営をすることになりましたけど、私の旅はまだ終わっていない。子育てが落ち着いたらまたその旅の続きをしたいです」   <取材・文/小林ていじ>
バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。
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