では、かつての演歌のようにJ-POPが長きに渡って紅白を支える存在となれるのでしょうか?
これを考える鍵となりそうなのが世界的なノスタルジアのトレンドです。たとえば、映画『トップガンマーヴェリック』が大ヒットし、米ドラマ『ストレンジャー・シングス』で起用されたケイト・ブッシュの「Running Up That Hill」(1985年)がチャートのトップ10にランクインする。そして、80歳のポール・マッカートニーがいまだにグラストンベリー・フェスティバルでトリを務める。
60年代から80年代に人気だったものが、いまだに大きな価値を持っているのですね。背景には、これらのコンテンツがネットもサブスクもない時代に生まれたものであったとの指摘があります。
皆がテレビやラジオで同じものを見聞きして、翌日学校や職場でああでもないこうでもないと喋る。そうしてエンタメが共通の話題として機能していたのが90年代半ばごろまでなのではないか。