サッカーワールドカップも残すところあと決勝のみとなり、大詰めを迎えました。 　そんななか、先日の決勝トーナメントで優勝経験のあるドイツとスペインを破るという快挙を遂げた日本代表。多くのサポーターがプレイヤーの活躍に注目する一方、日本代表の森保一監督に意外な注目が向けられているようです。特に、スペイン戦後インタビューに答える森保監督の表情が瞬時にクルクル変わる様に「どんな気持ち？」との疑問を持たれた方が多いようです。 　そこで本日は、「森保監督／自分たちができると信じ、チーム一丸となって最後まで戦ってくれた（スペイン戦後インタビュー）」及び「W杯サッカー日本代表が帰国　森保監督と吉田主将が会見（2022年12月7日）」から森保監督の表情から監督の感情や心理を読み解こうと思います。 　まずは、スペイン戦後のインタビューの監督です。一見して、2分程度のインタビューの間に喜怒哀楽に見える（いや、もっと？）表情が瞬間的にクルクルと変化しながら表れては消えます。実際、客観的な手法で分析すると、幸福・軽蔑・嫌悪・怒り・悲しみ・驚き・恐怖という万国共通の7表情が生じていることが確認できます。左下のグラフを観ると、様々な色のグラフが心電図のように表示されています。色の違いが表情の違いを表しています。 　短い時間に7表情が瞬時に表れては消える。「どんな気持ち？」と、頭にはてなが浮かぶわけですが、表情筋は、複数の意味を持っていたり、単なるノイズとして動いているだけだったりするため、本当に7感情の全てが心に生じていたわけではないと考えられます。例えば、眉が中央に引き寄せられながら下られる表情は、怒り、あるいは熟考の可能性があります。また、発話に伴い偶然、特定の表情に見える、例えば、「いー」と強く発声すると、口角が水平に引かれ、恐怖表情の一部を形成します。したがって、正確な解釈には文脈や言語との関係を考慮する必要があります。 　こうしたことを考慮し、監督の表情を改めてみますと、意味のある優勢的な表情は、驚き、幸福、感情抑制だと考えられます。 　スペインに勝ったという快挙の直後で興奮し、覚醒水準が引き上げられたため、驚き表情が連発し、幸福表情も随所に散見。驚きは、眉が引き上げられ、目が見開かれ、口が開かれる表情として表れます。驚きは、意外な出来事に対して生じるため、監督はスペインに勝てるかどうか不安だったのでしょう。幸福は、頬と口角が引き上げられる表情として表れます。幸福の理由は、いわずもがなです。