フットサル女子日本代表が明かす「三足のわらじ」を履く理由。“好きなこと”を続けるためのキャリア戦略とは
サッカーFIFAワールドカップ2026で世界中が熱狂に包まれるなか、昨年初開催された「FIFAフットサル女子ワールドカップ」に日本代表として選ばれたのが、バルドラール浦安ラス・ボニータスに所属する松本直美さん(28歳)。実は彼女、国内外の第一線で活躍する一方で、フリーランスとしてアパレルブランドの運営や企業の採用広報にも携わっている。

なぜ、世界と戦うトップアスリートが、マルチに仕事をする道を選んだのか。独自のキャリアを歩む彼女の思いや今後の目標について話を聞いた。
松本さんがサッカーを始めたきっかけは、通っていた幼稚園のサッカークラブだった。もともとは体操教室に通っていたそうだが、次第に「サッカーをやりたい」と思うようになり、気づけばのめり込んでいたという。
「中学・高校時代は学校の部活ではなく、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU-18というクラブチームに所属し、サッカー一筋の生活を送っていました。当時はプロになることを夢見て、『なでしこジャパンに入りたい』というのを目標に、日々サッカーに打ち込んでいましたね」(松本さん、以下同)
ただ、高校3年生で全国大会への出場を果たしたのを最後に、一度サッカーに区切りをつけた。調理師免許を取得するため専門学校へ進学。卒業後はホテルに就職し、料理人としてのキャリアを歩んでいたある日、転機が訪れる。
「フットサルチームの監督をしている知人から『ちょっと遊びに来ない?』と声をかけてもらったことがきっかけで、少しずつフットサルをやるようになりました。
ホテルで働いていたこともあり、頻繁には行けなかったのですが、少しずつボールを蹴る時間が増えるうちに、『やっぱり楽しいな』という気持ちが強くなっていきました。そこから本格的にフットサルの道へと進むことになったんです」

フットサルを最優先にするためにホテルを退職し、当初はショップ店員として生計を立てながら「十条FCレディース」でプレーしていた。その後、「さいたまSAICOLO」への移籍が決まると、競技に打ち込める環境を整えるため、IT企業で正社員として事務職に就いた。
しかし移籍後の2年間はなかなか結果が出ず、苦悩の日々が続いたというが、「もっとフットサルを深く学びたい」という強い思いから、2021年に現在の「バルドラール浦安ラス・ボニータス」の門を叩いた。
「バルドラール浦安に加入して感じたのは、周囲のレベルの高さでした。選手たちの技術力はもちろん、監督のフットサルに対する知識も深くて、常に高い基準が求められる環境だったんです。
そのため、1年目はなかなか試合に出ることができず、悔しい思いもたくさんしましたが、自分を信じて努力を続けることだけは忘れずに、日々練習に打ち込んでいましたね」
そんななかで大きな転機となったのが、1年目のシーズン終盤に行われたリーグ優勝を懸けたプレーオフだった。
「当時、自分と同じポジションの選手が体調不良となり、急遽私に出番が回ってきたんです。大舞台ということもあって、すごく緊張していたんですが、『このチャンスを絶対に掴みたい』という強い気持ちで試合に臨みました。
その結果、ゴールを決めることができ、チームの優勝にも貢献できたんです。まさにそれまで積み重ねてきた努力が、最高の形で報われた瞬間でした」

千葉県浦安市をホームタウンとする女子フットサルチーム「バルドラール浦安ラス・ボニータス」所属の松本直美さん(28歳)写真提供:バルドラール浦安、以下同
ホテルの料理人からフットサルの世界へ
急遽回ってきた大舞台で、チームを優勝に導く「劇的ゴール」

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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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