栃木・福島県境の秘境駅、“駅ノート”に綴られた迷惑行為の告白文に衝撃――仰天ニュース・トップ10
2022年、日刊SPA!で反響の大きかった記事からジャンル別にトップ10を発表。たくさんの方が驚いた「仰天ニュース」部門の第6位は、こちら!(集計期間は2022年1月~11月まで。初公開日2022年1月30日 記事は取材時の状況)
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秘境駅と呼ばれる駅は全国に数多く存在するが、実は周辺に民家があるなどその大半が“秘境っぽい駅”に過ぎない。ただし、その一方で周辺に何もない本物の秘境駅が存在するのも事実。栃木・福島の山間部を結ぶ野岩鉄道の『男鹿高原駅』(栃木県日光市)もそんなザ・秘境駅のひとつだ。
筆者が訪れたのは21年12月下旬某日。開業は1986年とそれほど古くないせいかホームに秘境駅らしい古びた感じはまったくない。だが、駅名に「高原」と付くだけあって標高は759.7メートル。東京スカイツリーよりも高い場所にあってかなり寒い。この冬は全国的に積雪量が多いが、当時はまだそれほどでもなかった。
それでも周囲の山々やレールの上などあたり一面は銀世界。福島との県境からわずか2.5キロしか離れていないとはいえ、まだここは関東。とんでもない山奥に来てしまった気分だ。
ここまで乗ってきた2両編成の列車が出発すると、ホームにいるのは筆者だけ。もともと乗車する客もいなかったが、それもそのはず。『栃木県統計年鑑 令和2年版』によると、同年の1日の平均乗車人員は0.67人。これは2021年3月に廃止された北海道の秘境駅にも匹敵するレベルの利用状況で、関東の鉄道駅ではダントツの少なさだ。
とはいえ、上下線合わせて1日に23本(※22年1月時点)が停車。日中は1~2時間に1本なので秘境駅にしてはまずまず多い。
崖に沿って作られた片側1面のホームから階段を上がるとすぐに出口。ほぼ誰も利用しないから当然無人駅で、IC乗車券非対応の路線なのに券売機も見当たらない。
そんな調子なので駅前には商店や飲食店、民家などは一切ない。唯一あるのは駅から100メートルほどの場所にある野岩鉄道の変電所くらいだ。
すると、その隣に広がっているのはサッカーグラウンドほどの広さの雪原。近づいてみると、ヘリコプターのイラスト付きの《男鹿高原駅前広場緊急ヘリポート》と書かれた看板が立てられている。
「なぜ、こんな辺鄙な場所にヘリポート?」と首をかしげたくなるが、よく見ると看板の右下には《栃木県消防防災航空隊》の文字。山火事などの災害時用であることは想像できるが、実際にはほとんど使われたことがないようだ。
1日の平均乗車人員は0.67人の秘境駅
駅前には何もない
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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