更新日:2024年02月14日 14:49
仕事

入社3か月で辞めた新入社員の挫折。研修では“期待の星”が、実務で「心が折れた」ワケ

研修と実務は違う

営業 新人の営業は、まず既存顧客の中小企業に挨拶回りをすることになっている。ただし、Aの部署では既存の顧客だけではなく、“新規の大企業”に営業をかけることが多く、門前払いされることがほとんどだったようだ。 「何度も追い返されることを経験したAは、徐々に心が折れていき『もう外回りしたくない』『お客様に会うのが怖い』と悩み始めました。先輩からのフォローもあったそうなんですが、そんな中で同期たちが着々と売り上げを出しているのを見て、プレッシャーを感じていたそうです」  研修では、どんな課題でもサラッとやっていただけに「どうして実践できないのか」。研修期間とのギャップに苦しんでいたと佐々木さんは振り返る。 「次第に遅刻や早退が増え、体調が悪いと会社を休むようになりました。挙げ句の果てには、引きこもり状態で会社に来れなくなったと聞きました」  研修と実務が違うことに悩んだ結果、Aは挫折して退職することになったとか。

毎日の予定を同期にLINEするほどのリーダー的存在だった

 大手メーカーの人事職を担っていた山田ももさん(仮名・20代)は、入社2年目の春に、新入社員研修の担当になった。約20人の新入社員を一日中管理するため、忙しい日々が続いていたという。 「新入社員の中に、同期たちに積極的に声をかけているBがいました。彼は、リーダー的存在のようでした。ある日、別の新入社員CとBのことについて話していると、CさんがLINE画面を見せてくれたのですが、『Bはすごいんですよね。毎日、翌日の予定とかをみんなに連絡してくれて。最後には、“明日も頑張ろう”的なメッセージが入っているんです。これ、入社してから毎日ですよ』と言うんです」  Bの予想以上のリーダーシップに山田さんも驚いたという。
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入社1か月未満で退職
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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