彼女には申し訳ないですが、ここで同時に「10歳以上も年下の地元の後輩の男の子ってどんな人なんだろう」と好奇心が湧いてきました。その数ヶ月後、気になっていたことの真相が判明しました。 　いつものように店で飲んでいると、Aさんが旦那ではなく、“大きな男性”と一緒に入ってきたのです。あの時とは打って変わって、とても楽しそうな表情です。 　私はすぐに「例の男性だな……」と察しました。気まずさもありながら「お久しぶりです！」と声をかけると、10年前のような笑顔で「お久しぶりです！」と言い、2人でカウンターの隅に腰掛けました。 　彼はすこし童顔で、目がなくなるほどよく笑う、100kgくらいはありそうな「デブ系男子」だったのです。 　別の日にマスターに事情を聞いたところ、彼女は私と話をしていた直後に旦那と離婚。今は相談相手になってくれた「デブ男子」と同棲しているとのこと。まるでドラマのような話ですが、紛れもない事実であることに驚きを隠せませんでした。 　長い人生において、本当に絶望を感じた時は「だれかにすがりたい」と思うはずです。 　そんななか、今回は奇しくも不倫というケースでしたが、デブ男子は間違いなく“デブリミナル効果”（※Mr.Babeの造語で、デブの魅力に惹かれてだんだん好きになること）を発揮し、優しさ、包容力、笑顔、そして柔らかいお腹で安らぎを与え、彼女を絶望の淵から救ったのです。新たな幸せをつかんでいただきたいと思っております。 ＜取材・文／倉科典仁＞渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』や暴走族雑誌『ティーンズロード』などエッジの効いた若者カルチャーをテーマにした雑誌を多数手掛ける。現在はWebマガジン『Mr.Babe』でデブに特化したファッション＆ライフスタイル情報を発信中。また、デブ限定の会員制オンラインサロン「Mr.Babe BIG MAN’s LABO」、大きいサイズのファッション通販サイト「Mr.Babe STORE」を開設。大きな男たちだけで日本の経済を向上させるべく奮闘中。X（旧Twitter）：@nori09140914