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「倉庫で戦力外を言い渡された」ホークスの“いぶし銀”が振り返る激動の現役時代

倉庫で戦力外を言い渡されて…

――翌年のシーズン後にホークスから戦力外通告を受けて引退されました。 湯上谷:2000年の日本シリーズが終わった翌々日の夜に電話口で「明日、球団事務所に来て」と言われました。翌年に向けてトレーニングを始めていたので、最初は「何か悪いことしたかな?」と思いました。 ――事務所ではどんなやりとりがあったんですか? 湯上谷:応接間ではなくて、倉庫みたいなスペースに雑然と置かれた長机を挟んで、当時の球団代表と話をしました。16年間頑張ってきたけど、「肩をたたかれるのがこの場所かよ」と。ものすごく悲しくて情けなかったですね。「もう一年見てくれてもいいんじゃないか」という気持ちもありましたが、悲しみでそれも言えなくて黙り込んでいました。 ――他のチームで現役を続けるという選択肢は? 湯上谷:なかったですね。 ――日本シリーズで、清原和博選手の内野ゴロを一塁に大きく暴投するエラーがありました。このプレーは現役続行を諦めることに影響しましたか? 湯上谷:あったかもしれないですね。なにより、その日本シリーズが終わって、地元の野球仲間から電話がかかってきたんですけど、悪送球のことを笑われてしまって……。もう、気持ち的にノックアウトされましたね。 <取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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