更新日:2024年02月02日 15:13
仕事

「お前が部屋を使うんかい」元ラブホ従業員が語る“どこかおかしい”客。ウーバーバッグで“デリバリー”利用

冴えない感じの中年男性

ホテルの客室とドアの鍵の様子 ある年のある日のこと、特にこれといった特徴のない(と言うのは失礼ですが)、普通の中年男性が来店されました。  お会計を済ませルームキーを手渡すと、中年男性は「あとで連れが来ます」と一言。まあ普通のデリバリー利用です。 「このおっさんは、どんなタイプの女の子を呼ぶのかな。きっと大人しそうなタイプの方だろうな」と、そのうち来る“連れ”について思いを巡らせていました。  ほどなくして、“連れ”と思しき女性が来店。筆者は思わず監視カメラに釘付けとなってしまいました。彼女はセーラー服姿だったからです。

入室させるか迷った挙句…“通過”

 彼女の出で立ちは、某大型ディスカウントショップに陳列されているようなコスプレ用のセーラー服に、過剰なデコレーションを施したネイル、茶髪のボブカットに、それに適さないゴテゴテのギャルメイク、年季の入ったルーズソックスに、履き古してくすみが目立つ白の“スクールシューズ”……といったもの。  一体どんなセンスなんだと頭を抱えました。とりあえず制服での来店は禁止事項ではあるので、セーラー服の女性にその旨を伝えました。  セーラー服の女性は困った様子で「でも、この格好で来いと言ったからさ」との返事。  筆者は「ここで入室させたら、禁止事項を破ることになる。いかにもコスプレ姿ではあるけれど、はたして“例外”を設けていいものなのか」と考えた挙句、「まあ、今回だけはいいですよ」と入室させることに。  決め手は、セーラー服の女性の顔立ちでした。明らかにおばさんだったのです。  人間の性癖は本当に不思議なものだなと、筆者はその時考えました。あの冴えない中年男性のリクエストの結果、あのような不気味(失礼ですね)な格好をした方が来られるとは。  主語が大きくなってしまいますが、人間の腹の内は本当にわからないものです。 <文/和田ハジメ>
およそ6年にわたり、渋谷区道玄坂の激安ラブホにて受付業務および清掃業務に従事。繁華街で様々な人間を見てきた経験をもとに、迷惑客の存在やスタッフの裏事情などをテーマに執筆(していく予定)。
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