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“ピエロ姿の怪人”に拉致され…順風満帆な漫画家を襲う「想像を絶する悲劇」<漫画>

B級ホラーを楽しんでいるような感覚

 一種、スプラッターにも通じるピエロマンの凶行もこの作品の魅力のひとつとなっているが、その点について本田さんは、「ぼく自身は、ちょっとだけ笑いながら描いています(笑)」と意外な思いを語った。 「もしかすると、感覚が人とズレているのかもしれませんが、B級ホラーを楽しんでいるような感覚なので、ぼくとしてはスプラッターやホラーを描いているという意識はほとんどありません。どちらかといえば、物語の起伏やテンポを付けるために、強制的に読者の感情を揺さぶるアイテムとして使っている感じですかね。例えるなら、エンタメに振り切ったジェットコースターのような作品を描いている感覚です

今までの言動を振り返るきっかけになれば…

 また、誰にでも思い当たる経験として“無自覚の悪意”に言及するシーンも、この作品では物語の大きなフックとなっている。本田さんは「教訓めいた思いを押し出すつもりはありませんが……」と前置きしながら、次のような話をしてくれた。 「徹底したポップコーンムービーとして楽しんでほしいという思いが大前提ですが……。本人は悪いことをしているつもりは無いけれど、相手を傷付けてしまう。SNSで、正しいことを書いたと思っても炎上してしまう。誰にでもある、こうした“無自覚の悪意”に対して、ピエロマンに報いを受けるという内容が、今までの言動を振り返るきっかけになれば嬉しいですね
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「何気ないシーンがその後の物語に繋がっている」
主に関西圏で広告関係やマガジン系の仕事をしながら、映像の企画・構成なども手掛ける。芸人さんやちょっと変わった経営者さんなどの話を聞くのがライフワーク Twitter:@h_mirai1987
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