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田代まさし起用で話題の『ヒロポン酢』CM出演の経緯を本人に直撃「ギャラは全額寄付した」

批判は想定内。昔とはスタンスが変わった

――批判は想定内だったんですね。 田代:もちろん想定内です。だって、僕も最初に商品を見たときは「ふざけてる」と思いましたから(笑)。「お前、反省してないだろ」という趣旨の批判がたくさん来るとは思っていました。 ――CMが公開されたあと、実際に批判的なコメントは多かったですか? 田代:確かに「『旨さ覚醒』ってキャッチコピーいらないだろ」とか「まだ早すぎる」とか、批判的なコメントはありました。でも、予想してたよりもかなり多くの応援のコメントをもらえましたね。昔は「100人いたら100人を納得させるのがプロだ」だと思っていたんですが、色々な経験をしてきて今は「少ない人数でも喜んでくれる人がいれば良いのかな」と思うようになったので、批判コメントが来ても大丈夫です。 ――ヒロポン酢は、他のポン酢と何が違うんですか? 田代:いわゆる「普通のポン酢」は、醤油に柑橘類の果汁とお酢を加えて作るんですが、『ヒロポン酢』は柑橘系の果汁を通常の2倍使っていて、お酢をいれていないんですよ。なので、濃厚なのに後味がスッキリしていて美味しいです。だから、うまさが「覚醒」するのかなと思います(笑)。

「今」だからこそオファーを受けた

――あのCMはどうやって作り上げていったんでしょうか? 田代:僕のマネジメントをしてくれているスタッフが台本を作ってくれて、それを元に練っていったり、現場でアドリブをいれたりして出来上がりました。 ――周囲の出演者も、見事に“反社風”な人材を揃えましたね(笑)。 田代:ドッキリなどに恐い人役で出てくる俳優だけを集めた、昔でいう「悪役商会」のような事務所を、台本を書いてくれたスタッフが運営していることもあって、選りすぐりの精鋭を揃えてくれました。恐い顔ばっかり集まった事務所なのに名前が「たんぽぽ」っていうんですけどね(笑)。 ――レトロな印象を受けますが、モチーフはありますか。 田代:ポスターや画像は、昔、大村崑さんが出ていたオロナミンCの広告をイメージしています。CMがたくさんの人に見られたので、レトロなホーロー看板も現在製作中です。 ――こうしたCM、今(2023年)だから受けたということはありますか? 田代:そうですね。過去だったら断っていたでしょうね。昔は、クスリのことは隠したり触れないようにしようとしていました。でも今は、ここまで来たら、オレの顔を見たらみんなクスリのことが頭に浮かぶので、受け入れていきていくしかないと思います。
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CM効果で品切れも…ギャラは全額寄付
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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