高谷氏によれば当該期間は、「通常の10倍」もの売り上げを見込んでいるとのことで、営業時間も変更して対応するという。 「土日祝については通常8時オープンですが、今年の夏のコミックマーケット開催期間中は7時にオープンになります。スタッフは6時入りをし、お客様を気持ちよくお迎えする準備をいたします」 また、夏のコミケの場合、喉越しが良い炭酸系のメニューが人気のようだ。 「特に暑い季節ですので、シュワっとした『メロンソーダ』や『レモンスカッシュ』が人気です。またこの期間は特別に、ゴクゴク飲んでいただける大容量のメガサイズドリンクを販売しております。この暑い時期ぴったりなドリンクサイズですので、メガサイズで『アイスコーヒー』をご注文いただく方は多くいらっしゃいますね」 これまでも「コミケ期間のベローチェがすごい」と話題にはなっていた。さらに今年は、人員や営業時間ばかりではなく、オリジナルデザイン缶バッジのカプセルトイや、「お楽しみ袋」などの販売もあるとのこと。まさに準備万端だ。 人員増員に加え、営業時間の繰り上げ、そして特別メニューやグッズと、もはやコミケ参加者並みに熱量があると言っても過言ではない。これほどまでに注力する背景には、店名にも由来しているようだ。 「『ベローチェ』は、イタリア語で“迅速”という意味を持ちます。厳しい暑さの中、大勢の方が来場されるイベントですので、お客様をできるだけお待たせせず、快適にお過ごしいただけるよう、“スピーディーな接客”を心掛けています。このようなたくさんのお客様にいらっしゃっていただける時こそ、それをしっかりと体感いただける店舗体験をお届けしたいと考えての対応です」 こうした特別対応は、1998年にオープンした有明店で翌年から始まっているのだという。そこには、店にとっても有益だという考えがあると同氏は語る。 「もちろん、ご来場になるたくさんのお客様に、心地良くおくつろぎいただける時間をご提供したいという想いがあります。一方で、店長やスーパーバイザーなどが集結し一丸となって店舗を運営するという機会は、他になかなかありません。対応するスタッフたちもこの機会をとても楽しみにしていることから、気合を入れてこの日を迎えております」 各店に話を聞いてみた結果、際立っていたベローチェの“コミケ対策”。もし当日訪れる際には、精鋭揃いの淀みのない接客を受けてみてはいかがだろうか。 ＜取材・文／Mr.tsubaking＞ Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大！天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。