更新日:2023年09月15日 18:18
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“迷惑登山客”の暴走が止まらない!長時間の自撮り、団体で山頂を占拠…

“山に合わない服装”でやってくるビギナーたち

登山

画像はイメージです ©mitsukun

山登りをする際、念入りに調べてそれなりの装備を揃えて挑むのが当然だと思えるが、そうでもない人も多いと、楠本さんは話す。 「先日、阿蘇山の山頂で、柄シャツにデニムと街中を散歩するような服装の人が歩いてたんですよ。手にはパンフレットを一枚だけ持ってました。どうやら、道に迷っているみたいだったんです。なんだか憔悴した様子だったので、持っていたスポーツドリンクをあげたら、本当に喜んでくれました」 阿蘇山は、山頂近くまで車で登れるため、何の気なしに登山道に入り込んできてしまったのだろう。軽装で飲み物を持たずに道に迷う。街とは違う危険がすぐそこにある状況。気を付けたいものだ。 さらに、アニメ『鬼滅の刃』の影響から、ありえない服装で登山をする人を見かけたというのは、田畑さん(仮名・40代男性)だ。 「福岡の宝満山の中腹に竈門神社という場所があるんですが、ここが『鬼滅の刃』の聖地なんですよ。だから、神社にもコスプレの人が来ます。宝満山は、山伏の修行場でもある割と険しい山なんですが、その登山道に炭治郎の格好をした人がいてびっくりしたことがあります。それだけでも危ないのに、コスプレの格好で下駄を履いていた人もいたので『それで怪我して動けなくなったら、誰が助けるんだよ』と思いましたね

カップ麺の汁を山に捨てるのは…

田畑さんによれば、登山道でタバコを吸っている人を見かけることもあるが、大抵の場合「あ、やべっ」といった様子で申し訳なさそうにするという。自分が悪いことをしているという自覚があるだけまだいいですよ……という田畑さんは次のように続けた。 「山の上で食べるご飯は美味しいですよね。カップ麺でも山で食べると最高です。でも、残りの汁を山に捨てる人を結構見かけます。汁を固める凝固剤も売ってあるので、必ず持って帰ってほしいですね」 山を知らないものにしてみれば、「肥料がわりに」程度の気持ちで捨てているのかもしれない。しかし、塩分や栄養分の高いカップ麺の汁によって、山には本来存在しない栄養環境が生まれる。すると、周辺の植物の生育に影響を及ぼす可能性もあり、環境的に大きな問題があるという。 また、臭いの強いカップ麺を捨てると、熊や猪などの危険な動物を登山道近くにおびき寄せてしまうことにもなり得るため、非常に危険な行為だ。
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スピーカーで大音量の音楽をかけながら…
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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