増え続ける日本のゴルフ人口。“一過性のブーム”が「文化として根付いた」納得の理由
中小企業コンサルタントの不破聡と申します。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、「有名企業の知られざる一面」を掘り下げてお伝えしていきます。
ゴルフがコロナ禍によるゴルフブームを乗り越えて、成長軌道に乗りつつあります。三密回避でゴルフを新たに始めた人や、しばらく離れていた人が増加し、一時はコロナバブルの様相を呈しました。
日常を取り戻したことで他のレジャーに人が流れ、ブームの反動減に見舞われるとの予想もありました。しかし、いまだにその兆候は見られません。ゴルフが日本のレジャー産業を支えていく可能性があるほどです。
矢野経済研究所の調査(「ゴルフ用品市場に関する調査を実施(2023年)」)によると、2022年のゴルフ用品市場規模は前年比12.0%増の3092億円。過去に3000億円を突破したのは2001年で、21年ぶりに3000億円の大台に達したことになります。2023年は同3.0%増の3184億円と予想しており、底堅く推移する見込みです。
2019年以前にはゴルフを未経験、あるいは1年以上プレーしていなかったものの、2020年以降にゴルフを始めた人はおよそ110万人いると推計されています。
ただし、ゴルフは継続率が低いのです。笹川スポーツ財団は、2022年のゴルフの競技人口は856万人で、そのうち年1回以上コース・練習場に足を運んだ人の割合はわずか8.3%との調査(「国内のゴルフ人口は856万人・男性697万人・女性144万人」)を発表しました。ゴルフは上達するまでに時間がかかり、練習するのにもお金がかかることから長く続かない人が多いのかもしれません。
そのため、コロナ禍が終息して各レジャー産業が回復すると、たちどころにゴルフブームは終焉するとの見方がありました。
しかし、そのような懸念を払しょくしてブームは続いています。ゴルフ場運営会社大手のPGMは、ハイシーズンである2023年10-12月の来場者が前年同期間比1.8%増の238万人となりました。2019年同期間は205万人。コロナ禍を迎える前と比較すると、16.0%増加しています。
PGMが運営する1コース当たりで計算すると、2023年10-12月は1万6000人。2019年同期間比で8.8%増加しています。
ゴルフ場はコロナブームの反動減に襲われるとの予想を見事に裏切ったのです。
ゴルフは継続率が低い?
「ゴルフ場来場者数」がコロナ前比で1割増加
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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