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山川穂高の加入は“李大浩・デスパイネ級”「20本塁打カルテット」が期待されるソフトバンク打線

山川を下位打線に置くのもアリかも

他にも、高いコンタクト力を誇る中村晃やユーティリティプレイヤーとして優秀な牧原大成、復活が期待される栗原陵矢、長年遊撃手を守っている今宮健太、代走の切り札周東佑京などがいる。このメンバーが健在であれば、スタメンのほとんどが日本代表経験者という豪華なチームになる。 打線の大型補強により、ベテランの選手を休ませながら起用するプランも考えられることから、ベテランの柳田などは以前のような圧倒的な成績を残せる可能性もある。 チームとして見ると、仮に山川の調子が下降したとしても、打順を組み替えれば良いのだ。自由に打たせ、一発を計算できる選手を下位打線に置けるのも、新たな強みになっていくはずだ。 実際のところ、2019年の埼玉西武は山川が不調の際に、中村を4番に置いて山川を6番や7番に置いている。振り回すイメージが強いが、このシーズンでは状況に応じて軽打したりと、チームの勝利に結びつく打撃もできていた。

「生まれ変わった姿」を見せてほしい

元々好不調が激しい選手のため、目先の結果よりも、シーズンをトータルでみた時に最終的には、30〜40本塁打や勝利に導く殊勲打を期待する選手として見るべきだろう。 さて、やはり気になるのはバッシングやプレッシャーに対するメンタル面の問題だ。和田毅や甲斐野央の人的補償の件が重なり、さらに風当たりが強い状況を招いてしまった。 かつて中田翔が北海道日本ハムファイターズから読売ジャイアンツに移籍した際に、バッシングは少なからずあった。その状況の中で、移籍2年目となった2022年は調子が上向いて4番に座って活躍した際は、野球ファンが中田に対して見直した部分はあったのではないだろうか。 さらに、同じくジャイアンツに所属していた山口俊も、移籍後にトラブルがあったが、2019年に最多勝利や最多奪三振、最高勝率を記録し、リーグ優勝に大きく貢献している。 ご存じの通り、山川が起こしたトラブルは彼らと比べるまでもなく、球界外をも巻き込む大きな騒動になった。年齢的にも老け込むのはまだまだ早く、本来ならば大谷翔平のように野球に打ち込む青少年の模範となるべき存在だ。プレー面はもとより、グラウンド外でも生まれ変わった姿を見せなければならない。 <TEXT/ゴジキ>
野球評論家・著作家。これまでに 『巨人軍解体新書』(光文社新書)・『アンチデータベースボール』(カンゼン)・『戦略で読む高校野球』(集英社新書)などを出版。「ゴジキの巨人軍解体新書」や「データで読む高校野球 2022」、「ゴジキの新・野球論」を過去に連載。週刊プレイボーイやスポーツ報知、女性セブンなどメディアの取材も多数。Yahoo!ニュース公式コメンテーターにも選出。日刊SPA!にて寄稿に携わる。Twitter:@godziki_55
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