更新日:2024年03月24日 10:00
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47歳の元パチプロに「その後の人生」を聞いてみた。“15年間無職”という現実に気付くまで――仰天ニュース・大反響トップ10

コロナでさらに追い打ちがかかる

パチンコ台 その後、中山さんはテキ屋時代の後輩からキッチンカーを手伝ってほしいと言われ、またしても屋台稼業に戻ることとなるのだが……。 「テキ屋はダメだけど、オシャレにしたキッチンカーならいいって言うんで、テキ屋時代の後輩がやってたキッチンカーを手伝うことになった。小洒落たキッチンカーで出したらさ、テキ屋時代なんか絶対に来なかった若くてキレイな姉ちゃんがたくさん並んじゃうの(笑)。よし、オレもカネ貯めてキッチンカーで……って思い始めた時にコロナだよ。もう、うまくいくと思ったら、またこれだよって」  こうして中山さんはまたしても失業してしまったのであった。

廃品回収として今度こそ安住の地を見つける

 コロナが始まり、またしてもプータローになった中山さん。昔取った杵柄とばかりにパチプロに戻ろうと試みたそうだ。だが、大幅に仕様が変わった現在のパチンコ、パチスロを打って「もう、打てないね、今の台は」とあっさり敗北宣言。今度こそ本当にダメだと思い、生活保護も考え始めたときに、小・中学校の幼馴染みとバッタリ会ったという。 「コンビニでバッタリ会って、何やってんの? って話になって、プータローって答えたら、廃品回収やってるから手伝ってよって。あんときは本当に捨てる神あればって思った」  こうして中山さんは同級生の廃品回収を手伝うことになる。 「まぁ、何でも屋だよ。ゴミ屋敷片付けたり、空き家になってる実家をなんとかしてくれって言われて片付けたり。この仕事の面白いのは、ゴミとして片付けてくれって言われたものが、カネになるってところ。この間も実家の遺品整理を頼まれて行ったとこなんか、食器棚から箱に入ったまんまのバカラのグラスの新品セットや高そうな茶器が出てきたり、押し入れからはギブソンのギターやトランペットとか出てきたんだよ。本当にタダで回収していいんですか?って聞いても、もう、使わないから処分してって。それでこっちで引き取ってまとめて業者に売ったら、全部で70万円にもなった」  45歳にしてようやく天職を見つけたという中山さん。47歳になった今は、「散々ろくでもない人生を過ごしてきたから、しばらくはのんびりしたい」と話した。
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当時勝っていたパチンコ台は
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グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター

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