48歳元パチプロの「その後の人生」。借金200万円をパチンコで返そうとした結果は…
朝から晩までパチンコやパチスロを打ち、勝ち金で生活をするパチプロ。20代ならまだしも、30代、40代となるにつれ、世間の風当たりの強さに足を洗う者も多い。気ままな稼業の代名詞とも言われる彼らは、一体どんな人生を歩んでいるのだろうか。
今回は前回に引き続き、200万円の借金を返済するためにパチプロとして活動していた岡本昌さん(仮名・48歳)のインタビュー後編をお届けする。
岡本さんは、大学卒業後に友人の紹介でパチンコ攻略誌の編集部で働き始めた。3年ほど働くも、ブラックな職場環境などを理由に退職し、その後フリーライターとして活動することに。しかし、バイトとして働いていたバーのオーナーに金銭面で騙され、総額200万円の借金を背負ってしまう。
そこで借金を返済するべくパチプロ転身を決めた岡本さんは、プロがあまりいない下北沢などを中心に立ち回りを始めることにした——。
パチプロとして稼働を始めるも、思うように収支を伸ばすことができず、軍資金として用意した20万円も底をつきそうになる。そんな状況で転機となったのは、一台のマイナーなパチンコ台だった。
「ライバルが少ない下北沢のパチンコ店は、そもそも高設定がほとんど入っていない店ばかりで、そりゃスロット打っても勝てるワケがない(笑)。ある日、2万円程のマイナスで店を出ようとしたんですが、たまにはパチンコでも打つかぁ〜なんて軽い気持ちで座ったのが、CR松浦亜弥でした。特に松浦亜弥が好きだったワケでもないんですが、試しに打ってみたところ、なんとこれが千円で32個くらい回るんです。とにかくステージのクセがよくて、ワープからステージにいけばほぼ確実にヘソに入りました。こりゃとんでもなお宝台を見つけたな、と思いましたね」
結局この日は夕方から閉店まで粘り、1万発弱の出玉を手にし、スロットの負けを取り戻すことに成功。翌日もクギはそのまま、朝からタコ粘り3万発オーバーの大勝ちを収めることに成功した。
普通の人ならば毎日通って徹底的に打ち込むだろうが、岡本さんはこのオイシイ状況をいかに長く続けていけるかを模索することにした。
「さすがに毎日打って出しちゃうと、怪しまれるだけでなく差玉でもおかしなことになりますからね。そこで考えついたのはローテーション作戦です。あややが設置されていたA店は、近所のおじいちゃんとおばあちゃんのお客さんが多かったこともあってか、パチンコは海物語と新台が基本的に甘めの傾向でした。だから週明けの月〜火曜はパチンコの新台狙い、水曜は朝から松浦亜弥、木〜金曜は若者が多くスロットに力を入れているB店で朝から狙い台を打つ。土曜、日曜は基本的に稼働はナシだけど、気が向いたらあややと戯れる……というローテーションを組みました」
こうして店員の目をそらしながら、あややとの逢瀬を重ねること4か月。岡本さんは借金を大幅に圧縮。実に150万円近くを返済することに成功したのである。
「結局、撤去されるまで4か月くらい打ち込みました。さすがに最後の方は締められていましたが、それでも1000円で25個はあったと記憶しています。その間、プロは一人もバッティングしませんでしたね。当時は千歳船橋や笹塚に強い店があったんで、みんなそっちに行ってましたし、そもそもプロからしたらCR松浦亜弥は何もオイシイポイントがなかったんです。だから、私からするとライバルはゼロ。たまにオバチャンが先に座って取られていることもありましたが、その時は幸せのおすそ分けみたいな気分で『オバチャンもキッチリ抜いてくれや』くらいの気持ちでいました(笑)」
たまたま打ったマイナーな台が転機に
“毎日打ち続けないこと”も勝つためのコツ
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター
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