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大規模特殊詐欺「ルフィ」を壊滅させた2人の女⑦〜フィリピンからの遠隔犯行を一部始終見ていた女

狛江事件とルフィを結び付けたもの

写真はイメージ

 ニュースを見た渡邉が声を上げた。 「まずいことになってる。おばあさん死んだってなってる」  藤田はすかさず今村を責めた。 「お前さ、どうすんの。ヤバいよ」    動揺を隠せない今村。 「ちょっと待って。マジで死ぬとは思わなかったんだけど……」  山田の証言は具体的で臨場感に溢れていた。さらにその場で小島智信が発言していなかったことも供述している。小島は狛江事件で逮捕されたものの、不起訴になっていることからも、狛江事件とルフィを結び付けたのは、山田の証言にほかならないだろう。  山田がルフィを壊滅に追い込んだのだった。

女に寝首をかかれた「ルフィ」

 渡邉らルフィは女らの性格を見抜き、アメとムチを使い分け、結局は使い捨てのコマのように扱ったが、最後はその女らに寝首をかかれたのだ。    山田はその後の裁判で、懲役3年(求刑同4年6月)の判決が言い渡された。一部の事件で追起訴されたため、今後量刑が変わる(前述)可能性もあるが、執行猶予なしの実刑判決だ。  一方の柴田は懲役4年6月(求刑同7年)。控訴することなく刑が確定し、すでに刑に服している。 柴田の裁判では、裁判官による異例の説諭が行われたことを加えておきたい。
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裁判での異例の説諭
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『週刊SPA!』誌上において、特殊詐欺取材に関して、継続的にネタを追いかける精鋭。約1年をかけて、「ルフィ」関係者延べ百数十人を取材した

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「ルフィ」の子どもたち 「ルフィ」の子どもたち

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