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入社3か月で辞めた新入社員。同期4人で退職の記念撮影をする清々しさ――大人気記事・すぐ辞めた新入社員トップ10

元料理人のプライドが暴走

「介護食は、柔らかく食材も小さくしなければなりません。しかし徐々に見かけと味重視になっていったのです。野菜の切り方も花びらの形になり、『安い調味料だと味が落ちるから』と、勝手に調味料を持参してきたのには驚きました。規則で使用できないことになっているにも関わらず、ですよ」  料理人としての熱は上がる一方だったようで、フルーツも“見栄え”よく切れるようにフルーツ専用包丁を持参したり、料理も“出来立て”を最優先にしたかったのか、蒸気が出ているような熱々の状態で提供したり……とにかく自分が作った料理を「これで良し」と満足できるまでこだわっていたようだ。 「この状況は、さすがに良くないので施設長が直接指導したのですが『こんな劣悪な環境の施設、公表してやる』と激高し、1か月も経たずに退職となりました」  そんなに料理が好きなら料亭で働けばいいのに……と内心では思っていた山本さん。  職場にはそれぞれルールがある。「より良くしたい」と思う気持ちは間違っていないが、その仕事の“本来の目的”を見失ってはいけない。Tさんが料理人として活躍していることを願うばかりだ。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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