更新日:2024年07月31日 14:32
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どれが「鯛(タイ)」か分かりますか?今さら聞けない「刺身の種類」の見分け方

それぞれの魚の特徴は?

刺身 見分け方

タイ

タイは、魚の王様と呼ばれるマダイである。 野本氏は「ここ数年の傾向として、養殖物の価格が高値安定していて味も良好です。昔は浅いいけすを使ったため日焼けの問題がありました。最近は深いいけすを使うので、赤く美しい魚が養殖できるようになりました。ここ10年ではるかに品質が上がり、筋肉の弾力で見分けはつかないと感じます。ただ、高級寿司店では天然タイしか使わないところもまだ少なくありません。刺身では、身が飴色っぽく透明感があるものが味が良く、白っぽく濁った物は避けた方が良いです」と教えてくれた。
刺身 見分け方

イサキ

血合いが赤々と目立っているのは、イサキである。梅雨時期は脂が乗り非常に美味。 残りの2種は、スズキとヒラメ。
刺身 見分け方

ヒラメ

ヒラメは厚切りにすると筋が目立ってしまうため、薄切りで提供されるのが一般的であるので、切り方が判別ポイントとなる。
刺身 見分け方

「厚切りにするとこんな感じです」と見せていただいた

冬の白身魚の代表格だが、春から初夏にかけて産卵期となり身が痩せ、「夏のヒラメは猫またぎ(猫も食べない)」ともいわれる。この取材は7月で青森の水揚げも終盤となっていたため、脂ののりは控えめであったが独特の歯ごたえがあった。厚切りにすると、風味がさらに強く感じられた。
刺身 見分け方

スズキ

最後に残ったのがスズキ。身質が他の魚よりざらっと粗い印象で、筋の入る間隔が広め。クセがなくさっぱりとした食感だが、もちもちとした特有の歯ごたえがある。

わかりにくい青魚カンパチ、ブリ、ハマチの判別

刺身 見分け方

右:カンパチ(養殖) 中:ブリ(天然) 左:ハマチ(養殖)

続いて、背の青い青魚の判別ポイントは以下である。 カンパチ(養殖):身は透明感のある白色。白身魚っぽいが血合いでカンパチとわかる。養殖もののため、皮下脂肪のような薄い脂の層があり、脂が染み出している! ブリ(天然):ブリが大きくなったもの。身はピンクから赤色。 ハマチ(養殖):ブリの若魚。身はやや白っぽい。若いのでブリより血合いが多い。こちらも養殖ものなので皮の下に脂の層がある。
刺身 見分け方

カンパチ

カンパチ、ブリ、ハマチは、スズキ目アジ科の同じ仲間です。ブリは成長段階によって名前が変わる出世魚で、若魚はハマチと呼ばれる。大きさによる呼び名はさらに分かれており、ワカシ→イナダ→ワラサ(関西ではハマチと呼ぶことも)→ブリとなる。
刺身 見分け方

ブリ

ブリはかなり大きな魚であり、野本氏によると「天然のブリは自分が見た限りで最大のものは20キロです」とのこと。最近はまとまって大漁に獲れることがあるため比較的安価であるが、養殖地域はどんどん拡大しているとのこと。
刺身 見分け方

ハマチ

「1980年代、ブリの稚魚であるモジャコの採捕も盛んに行われ、エサのイワシも安価に使えました」と、野本氏。
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「魚食文化」を次世代に繋いでいくには…
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フリーの編集者・ライター。出版社勤務後、編プロ「ミトシロ書房」を創業。実用書やガイドブックの企画・編集を行う傍らで、Webライターとしても活動。飲食・日本文化・占い・農業など、あらゆることに興味があるが、生き物が大好きすぎて本も書く。『日本で会えるペンギン全12種パーフェクトBOOK』、『ラッコBOOK』を執筆。

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