どれが「鯖(サバ)」か分かりますか?今さら聞けない「刺身の種類」の見分け方
居酒屋で刺身の盛り合わせを頼んだ場合、店員から「どれがなんの魚か」をざっと説明されるはずだ。しかし、覚えているのは序盤のうちで、徐々に自分がどの魚を食べているのか怪しくなってくることはなかろうか。
「白身魚の見分け方」を専門家に聞いた前回の記事に引き続き、今回はアジ、イワシ、サンマ、サバといった「光り物」を見分ける方法を紹介したい。
今回も、羽田市場の創業者・社長の野本良平氏に話を聞いた。野本氏は外食産業などで経験を積んだ後、2014年に羽田市場を創業。鮮魚の独自流通システムを構築し、朝に漁獲された鮮魚をその日のうちに空輸する「超速鮮魚」というビジネスモデルで注目を集めている。「ととけん」(日本さかな検定)の最難関である1級を持ち、切身からでも高確率で魚種を当てる魚界の偉人である。
候補としてあげるなら、冒頭の通り、アジ、イワシ、サンマ、サバかと思いきや……。イワシを刺身にするならマイワシなのだが、「夏の終わりから秋にかけては味が落ちて全然ダメ」らしく、今回はパス。野本氏曰く、「梅雨時から夏の初めにかけてが最も脂がのって最高に美味なので、その時期にこそ皆さんにぜひ召し上がっていただきたいです」とのことだ。
では、まずはサンマから。体が細長く身も薄いので、刺身にしても筋肉の層が薄く、小ぢんまりとしている。皮は背中側は青黒く、腹側は銀白色で、身の色は淡いピンク系。血合いの部分も大きめで、陸から遠い外洋を泳ぎ回る運動量を支えていることがわかる。
次はサバ(マサバ)について。アジ、サンマ、サバの中では最も体が大きい。背中は青~緑系の色で波状のまだら模様があり、腹側は銀白色。
サバの皮は銀色で光沢があるが、酢で締めると、ツヤ感が増す。鮮度が落ちやすいものの、酢締めにすると保存性が高まり、脂がさっぱりした味わいになるという利点が。身は透明感があり、血合いは鮮やかな赤色だ。
消費者にとって怖いのが「アニサキス」だが、実は2種類存在する。太平洋側のサバに主につく種は、生食によるアニサキス症のリスクが高い。一方、日本海側のサバに主につく種は生食をしても比較的安全とされているのだ。
サンマは体が細長く身も薄く身がピンク系
サバの身は透明感があり、血合いは鮮やかな赤色
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フリーの編集者・ライター。出版社勤務後、編プロ「ミトシロ書房」を創業。実用書やガイドブックの企画・編集を行う傍らで、Webライターとしても活動。飲食・日本文化・占い・農業など、あらゆることに興味があるが、生き物が大好きすぎて本も書く。『日本で会えるペンギン全12種パーフェクトBOOK』、『ラッコBOOK』を執筆。
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