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就職難で囁かれる定説3つ 全てウソだった!

’10年3月卒の大学生の就職内定率は91.8%と、過去最悪の’99年度の91.1%に次ぐ低さに。しかし、それをもって就職氷河期と言い切れるのか? 雇用のカリスマ・海老原嗣生氏がその正体を暴き、若者に提言する。

◆「 ’80年代後半と比べて企業の新卒採用数は激減している」はウソ

「学校基本調査」(文科省)によると、4年制大学・新規卒業者の正社員就職数は、’80年代後半が平均29.4万人なのに対し、就職氷河期(’99年~)のほうが2割近く多くなっている。

 じゃあ、なぜ内定率が下がっているかというと、「大学の乱立」と「学生の増えすぎ」のせいだ。’85年は大学数が460校で、学生総数は185万人だったが、’09年には、773校、285万人に膨れ上がったためである。

◆「大手、中小を問わず若者の就職口は減り続けている」はウソ

 経済成長の鈍化を受け、近年、主要大手企業は採用を控えているか? 答えは否。主要企業の大学新規卒業者採用予定数は、景気変動により上下動こそするが、減少はしていない(’80年代後半を下回ったのは、’00年の一度きり)。少子高齢化により、1学年当たりの出生数は第二次ベビーブーマー世代と比べて、現在の20代は4割近く減っている。にもかかわらず、大手企業の採用数は減っていないということを考えれば、「大手に入れる」確率はむしろ高くなったといえよう。

 さらには、中小企業にいたっては、就職口は山ほどある。下にあるグラフを見てほしい。大学新規卒業生と社会人の求人倍率を、大手企業(従業員数1000人以上)と1000人未満の企業で比較したものだ。大手に絞るとお寒い状況だが、このご時世に後者は3.63倍と、とてつもない数字になる。加えて、従業員数100人未満の中小企業では、’08年3月の高卒求人数17.8万人に対し、高卒新卒者数は6.0万人で、充足率はわずか34%(厚労省「新規学卒者の職業紹介状況」)。ここには新卒でなくとも、入れる余地があるだろう。不況下に、採用を実施できる伸び盛りの中堅・中小企業は今も人手不足なため、中途でも十分に狙い目なのだ。

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リクルートワークス研究所、厚労省職業安定局

◆「今や働く若者(15~24歳)の2人に1人は非正規社員」はウソ

「労働力調査」(’08年・総務省)を見ると、15~24歳の雇用者は534万人で、そのうち249万人が非正社員(46.6%)という数字になっており、表面上はウソではない。

 しかし、この249万人のうち、118万人は在学生、つまりは学生バイトなのだ。ちなみに、この在学生を除いて正規・非正規比率を出すと、68.5%対31.5%で俗説とだいぶ異なってくるのだ。

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