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ラブホでいい雰囲気のはずが…突然パトカーのサイレンに怯えだした彼。持っていた“黒い箱”に入っていたのは…

ケースの中身は4匹のトカゲだった

黒い箱 飯田さんがケースの中を覗いてみると……。 「中からは何やらカサコソと音がしました。部屋が暗くすぐにはわかりませんでしたが、ケースから姿を現したのは、なんと4匹の生きたトカゲ。私が驚いて『きゃー!』と声をあげてしまったので、彼は起きてしまい……恐る恐る尋ねてみたんです、『何これ?』と。  すると彼は、オーストラリアから密輸したトカゲで、現地ではすぐに捕まえられる品種だけど、日本では珍しいから一匹30万円で売れるのだとひょうひょうと答え始めました。彼はトカゲの違法輸入をしている密売人だったんです」  男性が犯罪者とわかり、飯田さんは怖くなって部屋から逃げ出したそうだ。 「なんだか彼の喋り方や表情もサイコ感が出てきていて、クスリでもやってるんじゃないかとも思って、めっちゃ怖くなりました。だから彼がトイレに行っている間に私は荷物をまとめ、必死にホテルの出口に向かったんです。なんとか外に出られたものの、ここは六甲山……とてつもない絶望感でしたね」

暗い山道をひたすら走った

 山道一本しか道路はなく、車はほとんど走っておらず、タクシーなんて捕まるはずもなかったという。 「私はとにかく逃げたい一心で下山しようと山道を走っていると、ホテルのほうから車の走る音が聞こえてきました。『彼が追ってきたのだ』と思い咄嗟に草むらに身を潜めていると……通り過ぎたのはやはり彼の車で。夜の山はとても不気味で、ホテルの部屋での恐怖心と山の雰囲気も相まって足がすくみました……。それでもなんとか家まで帰って、彼の連絡先はすぐさまブロック。幸い、その後は何も連絡はなく、縁を切ることができました」  山道沿いのラブホテルで一緒にいた男性が犯罪者だと発覚――飯田さんが無事だったことがなによりだろう。 (取材・文=逢ヶ瀬十吾/A4studio)
編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。興味のあるジャンルは映画・ドラマ・舞台などエンタメ系全般について。美味しい料理店を発掘することが趣味。
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