仕事

世帯年収1000万円弱でも生活は苦しい…“底辺マンション”の清掃員として働く38歳主婦の嘆き

使用済み避妊具や大人のおもちゃ

避妊具

※画像はイメージです

 分別で最も困るのは、直視できないものがある時。たとえばプラスチック製の包装を捨てる袋に便がついたパンティーやパンツが入れてある。洗っていないのだ。使用済みの避妊具もあった。これらは本来、燃えるごみだ。  女性の性器を実物大にした“大人のおもちゃ”もあった。これは、不燃物である。同じ袋に、アイドルグループのCDも入っていた。これは、燃えるごみだ。  怖いのが、燃えるごみの袋にカミソリやカッターナイフが、刃をむき出したままで入れてある時。血がついたままのカミソリもあった。厚手のビニール手袋をはめてはいるももの、うっかり触ると手を切る場合がある。実際に過去に数回切った。 「さらに怖かったのは、包丁を薄いタオルに包み、プラスチック製容器包装を捨てる袋に放り込んであった時。厚手の紙できちんと巻き、“危険”と書いて、不燃ごみとして出すべき。私は怒りでキレる寸前になり、私が労働契約をする清掃会社のマネージャーに電話し、改善を訴えました」

使用済みの注射針の捨て方は?

「マネージャーは発注者である管理会社を刺激したくないからか、反応をしなかったです。その後もメールを送り、改善をしつこく求めると、ようやく管理会社に電話し、了解を得て、ゴミ庫の壁やドアに事情を説明した文書とごみの分別を求める文書を貼ったのです。  清掃員が独自の判断で書いて貼ると、住人や管理会社とトラブルになりうるのです。ここ数か月は包丁がなくなったのですが、依然としてカミソリやカッターナイフが、刃をむき出しのままで入れてあります」  不気味であるのは、注射器だ。プラスチック製容器包装を捨てる袋にむき出しで入れてあった。針の先に液がついていた。 「きっと糖尿病の注射じゃないかな。医療機関や薬局などの医療機関に処理を依頼するか、新聞紙などで包んで燃えるごみに入れないといけないはず。針が手に刺さらないように気をつけているけど、怖いから分別をしてほしいな
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ごみの分別を根本から知らないから
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1977年、神奈川県生まれ。全国紙の記者を経て、2022年よりフリー
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