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「1,000いいね!」で東大受験を決意…“ノリで生きてる”と自称する21歳女子大生が描く、“意外”な未来図

大学の同級生たちは超個性派ぞろい

まるぼろさん

濃ゆい環境に身をおくまるぼろさん。世界は広い

――美大というだけでも個性が豊かだと思いますが、世界規模の大学ともなると想像を絶しますね。 まるぼろ:トランペットを夜中まで吹いている音楽科の学生や、夜中に急に寮の壁をピンク色に塗っちゃう学生、絵の才能がずば抜けているのに部屋を足の踏み場がないほど汚しちゃう学生など、実にさまざまな子たちがいましたね(笑)。  キャンパスには猫耳が生えている男性もいるし、ハイヒール履いている男性もいて、性自認もバラバラで自由です。しかも、それが普通のこととして受け入れられていて、誰も何も言いません。  それぞれが飛び抜けた個性を持ちながら、あまり干渉し合うことなく認め合っている様子が印象的な大学です。彼らのなかには、若くして才能を認められて大きな舞台で活躍している人もいます。 ――海外の大学に通ってみて、日本との差に驚く場面はなかったですか? まるぼろ:かなりありました。これは『ニューヨーク・タイムズ』でも取り上げられたのですが、私が通っているとき、パーソンズ美術大学の教授陣による25日間のストライキが行われたんです。要求は賃上げで、大学へ行ってもストライキをやっている人たちが校舎を囲んでいて、入れないような状態でした。正直、芸術を学びたくて留学したので、およそ1ヶ月にわたって学べないことは少し不満を感じました。ただ、権利を主張するためにすぐに行動を起こす様子を見ていて、海外の人たちの行動力には感服しました。日本においてはあまり見られないことだと思います。

戦争に心を痛めていた「ロシア人の彼氏」

――大切なことですね。多種多様な人種がいると、それだけで驚かされる場面もありそうですよね。 まるぼろ:そうですね。たとえば当時交際していたロシア人の彼氏の話ですが、今回の戦争についてかなり心を痛めていました。彼の家族はウクライナとの戦争に反対し、デモなどに参加していたようです。ただ、ロシア国内で疎まれて、政府から制裁を加えられたようです。ルーツを辿ってイスラエルに引っ越したようですが、そこでも戦争に巻き込まれてしまったようです。彼が平和を望んでいたのを知っていただけに、私にとっては否が応でも世界情勢に関心を持たざるを得なかった経験ですね。 ――海外暮らしで、ひやりとする場面はありませんでしたか? まるぼろ:ありました。ニューヨークの空港に到着したとき、空港のユニフォームを来たタクシードライバーが近づいてきたんです。早速乗り込んで目的地についたのですが、ドアを開けてくれないんですよ。それで、「1000ドルになります」って(笑)。日本円で10万円を超える金額です。さすがに法外すぎるので交渉して、結局300ドルを支払いました。どうも正式なタクシーではない詐欺師に騙されてしまったようです。ドライバーは黒人の大柄な人で、怖かったですね。ほかにも、空港でウーバーを呼ぼうとしたら「ここはウーバー来ないよ」とか言って無理矢理スマホを奪おうとしてくれる人もいましたね。あれも怖かったです。
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将来を見据えて「日本の最高峰を目指す」
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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