元リクルートの33歳女性経営者が語る「女性が起業する難しさ」…“下心丸出し”の先輩経営者に遭遇することも「俺がいい女にしてあげる」
主に経営者、マネジメント層を対象としたコーチングセッションや人材育成研修などを行う「株式会社 自己肯定感」。個人事業として5年、法人化1年目、のべ2000名の個人事業主女性や起業女性へのトータルプロデュースを行うなど、女性のキャリア形成に強みを持つことで知られる。
会社を率いるのは、内田琴美氏(33歳)。早稲田大学在学中に妊娠・出産を経験し、子育てをしながら株式会社リクルートでキャリアを築いた才媛だ。女性が社会のなかで自分らしく生きることの苛烈さと喜びについて話してもらった。
――株式会社 自己肯定感。一度聞いたら忘れられない名前なわけですが、社名に込めた思いはどんなものでしょうか。
内田琴美(以下、内田):すべて話すと非常に長くなってしまうので、簡潔に申し上げると、「自分のことは自分で何とかしなければ、幸せはやってこないのだという気づき」に集約されると思います。さまざまな方のコーチングをさせていただくなかで、どんなに美人であろうと、どんなに稼いでいようと、どんなに学歴が高かろうと、自分を自分で認めてあげる力=自己肯定感がないと、自力で幸せになるのは難しいことに気づいたんです。自己肯定感が高ければ、どれほど現状がうまくいっていなくても、人の足を引きずるのではなく自分を高める方向へ意識が向くんです。殊にビジネスをする人たちには、そういったマインドを持つことで前向きになってほしいという思いがあります。
――内田さんご自身は、最初から自己肯定感が高かったんでしょうか?
内田:とんでもありません。むしろ、自己肯定感は低い人間だったと思います。私は早稲田大学在学中に妊娠・出産を経験し、新卒で株式会社リクルートキャリア(現:リクルート)に入りました。リクルートでは戦略を担う部署にいましたが、当然、周囲にはエリートが多くいました。育児とのバランスがある中で、時短勤務をしながらも社内表彰を掲げて頑張り、実際、達成もしました。しかし腕利きが集まる会社ですから、フィードバックを受けるたびに自分の欠点が見えてきて、気が滅入ることもありました。会社員時代は、成長できる素晴らしい時間だったと同時に、自らの至らなさに向き合う時間でもありました。
――リクルートから独立したのは、どうしてでしょう。
内田:私は仕事をするときに、周囲が幸せになればいいなと思って仕事をしています。ただ、当時の働き方は理想と乖離するところがあって、むしろ私が頑張れば頑張るほど周囲が疲弊していくような印象がありました。年収を上げたいとかポジションを上げたいと思えなかった当時の私は、会社員としてはどうなんだろうと自分でも思っていました。また、この頃にメンタルもやや弱ってきてしまって、退職を選択することにしました。
なぜ「株式会社 自己肯定感」に?
リクルートを退職した理由は…
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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