更新日:2024年12月03日 16:42
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タイに移住した日本人女性が明かす、4人家族のリアルな生活費「物価が安いイメージですが、実際は…」

タイでは“子どもは宝”「気づくと“10オペ”状態になってることも(笑)」

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それだけでなく、タイでは家族や実家が子育てに協力的なのも魅力だという。 「日本と比べると、タイは親族同士の距離感がとても近いですね。その家庭内だけでなく、親族全体で子どもを見守ろうという考え方。そのため、お母さんが1人で子育てをするケースはむしろ少ないと思います。 田舎では親族全員で子育てをすることが一般的で、お母さんが都会に働きに出ている間は、親族が子どもの面倒を見ることが多いんです。実際、私もパタヤの実家で子どもを育てているのですが、最初はいわゆる“ワンオペ”生活をしていたのが、気づけば周囲が協力してくれて、“10オペ”状態になっていました(笑)。田舎では親族全員が同じ家に住んでいることも多いので、自然に助け合いが生まれるんです。 また、都会の場合は、田舎から手の空いている親族を呼び寄せて“子守係”として助けてもらうケースもあります。その際にはきちんと給料を支払って、仕事としてお願いします。もしも子守を頼む人がいない場合は、お手伝いさんを雇うことが一般的で、月給で1万3000バーツ前後(約5万7000円)、日雇いなら1時間130バーツ(約570円)と、日本よりも手軽に利用できるのも良いですね」 ただし、日本と違い不便なこともあるという。 「外国人が利用する病院の医療費は高額で、風邪でも3000〜5000バーツ(約1万3000円~2万1000円)ぐらいかかって、ワクチンは自費。また、子どもの医療費も日本とは違って自費なことです。国立病院と私立病院の選択肢があり、国立病院は安価ですが、待ち時間が長く、タイ語しか通じないこともあるため、外国人には少しハードルが高いです。 我が家ではタイの民間医療保険に加入しており、1人あたり年間約3万〜5万バーツ(約13万円~22万円)で入院費をカバーしています。ただし、通常の外来費用は基本的に自己負担です。それでも、タイでは薬局で簡単に薬が購入できるため、風邪程度であれば病院に行かずに済ませることがよくあります」

「自由な生き方をしてほしい」

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子どもをタイで育てる場合の学校などの教育事情はどうなのだろうか。 「日本人家庭の多くはインターナショナルスクールに子どもを通わせるのですが、学校の費用は学校によって異なります。パタヤの場合、幼稚園だけでも年間10万バーツから50万バーツ(約44万円~220万円)程度ですが、バンコクともなると、さらに上がります。 インターナショナルスクールに通わせる場合、最初は英語ができない子どもが多いため、家族全員でサポートします。ただし、タイでは褒め合う文化なので、自己肯定感が高まりやすいですね」 石井さん自身は、子どもにはタイと日本のどちらの国籍や文化で育ってほしいと考えているのだろうか。 「せっかく日本とタイ、両方のルーツを持って生まれたので、どちらの文化も吸収して良いとこ取りをしてほしいと思っています。我が家では自然と両方の文化に触れられるよう、親として工夫をしています。また、タイではハーフの子どもが多く、LGBTQ+先進国でもあるので、国籍や性別にとらわれない自由な生き方をしてほしいですね」 【石井エリ】 2014年にタイ移住、TLSパタヤ語学学校を経営。日本とタイの架け橋になりたい!という想いからYouTube番組「タイ駐在チャンネル」「JaPhaiチャンネル」でリポーターや日本人向けイベントでの司会、在タイ日本人向けインフルエンサーとして幅広く活動中。日本のテレビ番組「マツコ会議」や「サタデープラス」にも出演。 <取材・文・撮影/カワノアユミ>
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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