GWラスト 遠出せずとも本場シカゴ・ブルースを体感できる!
http://ogikubo-rooster.com/main/index.html
●5月6日/荻窪Roosterノースサイド START:20:00
http://ogikubo-rooster.com/north/index.html
●5月7日/渋谷Terraplane START:20:30
http://www.terraplane-blues.com/
劇場版も大ヒットしたアニメ『けいおん』に触発されてか、最近ギターを始めたという女子高生が増えている。いや、ブームは何も女子高生に限った話ではない。ギターケースをかついで街を闊歩する女子大生や、“おやじバンド”ブームに乗っかって、再びギターを手にする中年ロッカーも増えているという話だ。
中央線沿線、場末感満載のチープな焼き鳥屋では、今宵もロックを肴に喧々囂々の大論争が交わされているはずだが、才能が「ある」「ない」の話はさて置いて、楽器をプレイする者なら誰でも一度は夢見るのが、世界のステージに立つことだろう。
今や日本では、ロックはすっかり市民権を得た。いくつかのバンドブームを経て、ヒットチャートにロックバンドが顔を出すことも珍しくはない。だが、そんな日本から飛び出して、海外で活躍するミュージシャンは決して多くはないのも事実だ。ところが、日本人には到底不可能に思えた「夢」を実現したミュージシャンがいる。ブルース・ギタリスト、菊田俊介だ。
高校卒業後、単身渡米し、’86年に名門・バークリー音楽院に入学。在学中、菊田はブルースに目覚める。
ブルースは、19世紀後半にアメリカのディープサウス(ミシシッピ州、ルイジアナ州など深南部)の黒人たちによって生み出された。奴隷制度があった当時、黒人たちは日々の悲しみや憂鬱(ブルース)を、ギターの伴奏に乗せて弾き語ったのだ。
やがてブルースはシカゴに辿り着きバンドで演奏されるようになり、ローリングストーンズやヤードバーズなどブリティッシュロックの礎となる。ブルースが生まれなかったら、現在のロックはなかったといっても過言ではないだろう。
バークリーを卒業した菊田が向かったのも、ブルースの本場・シカゴだった。皿洗いのバイトで糊口を凌ぎ、ストリートミュージシャンからキャリアをスタートさせた菊田は、ブルースクラブで地元ミュージシャンとセッションを重ね、ブルースの修行を積んでいく。
そしてシカゴに移ってから10年後の’00年10月、運命的な出会いが待っていた。“ブルース界の女王”ココ・テイラーの目に留まったのだ。
ココ・テイラーのバンド、「ブルースマシーン」のギタリストとして世界を駆け巡り、ついには菊田をブルースの世界に引きずりこんだ憧れの人、“ブルースの王様”B・B・キングとの共演を果たす。B・B・キングは菊田を評して「Light(肌の色の薄い)B.B.King」と呼び、ブルースのマニアックなファンとしても有名な俳優のクリント・イーストウッドは「Shogun of Blues(ブルースの将軍)」と言う。今やブルース・ミュージシャンで菊田を知らない者はいない。
そんな菊田俊介が、久しぶりに日本に凱旋し、都内のブルース・クラブ3か所でライブを行うという。世界で「夢」を実現させた稀有な日本人ミュージシャンのホンモノのプレイを堪能する、またとないチャンスだ。
ステージをまじかに控えた菊田が話す。
「今回は、3日間それぞれ違った楽しみ方ができると思うよ。1日目は、シカゴブルース特集。サポートミュージシャンもシカゴで活躍経験のある人々を選んだ。2日目は、私のオリジナルだけで、誰しもが演奏する有名曲は一切弾きません。3日目は、私のバークリー音楽院時代の仲間を集めて、よりファンキーな曲や、R&Bサウンドを紹介しようと考えている。ボーカルには、JAZZ界からギラ・ジルカをフューチャーしますよ」
GWも残りわずか。今年の大型連休は雨ばかりで鬱々としている人は、遠出せずとも本場シカゴのブルースを東京で楽しめる菊田のステージを体感してはどうだろうか。 <文/日刊SPA!取材班>
【菊田俊介Tokyo 3days】
●5月5日/荻窪Rooster本店 START:20:00
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