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業界人が「期待外れだった秋ドラマ」4選。キャリアを案じてしまう“ミスマッチ”も

ボクシングをテーマにした『あのクズを殴ってやりたいんだ』

次に、制作会社に勤務する30代の女性プロデューサー・B氏にも聞いた。 「『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系、火曜午後10時~)ですね。働く女性をターゲットにしたラブコメ枠で有名ですが、さすがに毎回同じようなフォーマットで飽きてきたのが本音。 今回は奈緒さん演じる婚約者に逃げられた女性が玉森裕太さん演じるクズ男との出会いをきっかけに、ボクシングに熱中していくというストーリー。 “ボクシング”という新しい設定が加わっているものの、ボクシングである必要性があったのかと疑問が残りました。 確かにリングシーンに力を入れているのは良い演出だと思いましたが、肝心のラブコメ部分には共感性や新しい切り口がなく、王道というよりベタ。 脇を固める岡崎紗絵さんや玉井詩織(ももいろクローバーZ)さんの演技やキャラクターがよいだけに残念な一作でした」 ラブコメにスポ根の要素を掛け合わせて新しさを狙ったが、視聴者や業界人の心も掴めなかったようだ。

兄を頼る妹役が板に付いていない

潜入兄弟そんなB氏に秋ドラマに出演する演技力に難ありと感じた俳優を聞いてみた。 「『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』(日本テレビ系、土曜午後10時~)でダブル主演の一角を任されている八木莉可子さんですね。 『舞いあがれ!』(NHK)ではイヤミな恋敵を好演しており評価していましたが、兄を頼る妹を演じる本作ではおどおどした口調やキャラクターが板に付いていない。 漫画的な演出やセリフも合っておらず、本人というよりもキャスティングに問題がある気もします。ヒューマンドラマに出て地道に知名度を付けていったほうがよいのでは……」
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原作の力に及ばなかったあの実写化作品
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テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。

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