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「敬遠されない」大谷翔平に“明らかな異変”…初球打率.133「消極的打撃」がもたらす“負の連鎖”

 ドジャースの大谷翔平に待望の“パパ初安打”が生まれた。  日本時間20日(以下同)に、自身のインスタグラムで第1子となる女児の誕生を報告していた大谷は、父親リストに入り、2試合に欠場していた。  21日に復帰後は父親として、打撃向上と行きたかったはずだが、なかなか安打が生まれず。そして迎えた24日のカブス戦で、復帰3試合目にしてようやく安打が飛び出した。これには大谷も安堵したに違いない。

監督は大谷の打撃状態を危惧するコメント

大谷翔平

写真/産経新聞社

 ただ父親になって以降の3試合で12打数1安打(打率.083)と打撃が上向いていないのは紛れもない事実で、本塁打はもちろん、大谷らしい強烈な打球もなかなか出ていないのが現状だ。  5打数1安打に終わった24日の試合後には、ドジャースのロバーツ監督も「力んでいる」「スイングが大きい」「少し積極的すぎる」と大谷の打撃状態を危惧するコメントを並べ立てた。下位打線にようやく当たりが出始めたタイミングだけに、大谷の打撃不振には指揮官もヤキモキする気持ちもあったのだろう。

大谷の初球スイング率・初球打率に異変…

 ただロバーツ監督のコメントとは裏腹に、今季の大谷はやや“消極的”な面が目立っている。  というのも、今季の大谷は開幕から初球に手を出す確率、いわゆる初球スイング率がかなり低い水準で推移しているのだ。24日時点で大谷の今季初球スイング率は31.0%。100打席あれば、31打席で初球を打ちに行っている計算である。  実はこの31.0%という数字はほぼリーグ平均と同じだが、大谷としてはかなり低い部類に入る。2022年以降の大谷の初球スイング率を順に見ると、41.6%→39.0%→39.6%と、軒並み40%前後で推移していた。  大谷が初球から積極的に打ってくることを見越した相手バッテリーが、あえてボール球から入るケースも増えているとみられるが、それにしても過去3年と比べると、今季は激減といってもいい数字である。  しかも、初球に手を出して結果が出ていればまだいいが、今季の初球打率は.133(15打数2安打)と全く打てていない。昨季は8本を数えた初球本塁打もまだ1本しか出ていないのである。

昨季までの通算初球打率は.398だったが…

 大谷がメジャーに移籍して以降の初球打率を並べると、積極的なスイングだけでなく、しっかり結果を残していたことも分かる。 【大谷翔平の年度別初球打撃成績】 2018年…….447(38-17)、5本塁打 2019年…….423(52-22)、6本塁打 2020年…….111(9-1)、1本塁打 2021年…….371(62-23)、8本塁打 2022年……344(96-33)、8本塁打 2023年…….500(68-34)、10本塁打 2024年……….390(82-32)、8本塁打 2025年…….133(15-2)、1本塁打(※24日現在)  コロナ禍でシーズン打率.190に終わった2020年は例外として、大谷はエンゼルス時代から初球にはめっぽう強かった。特にエンゼルスでの最終イヤーとなった2023年は、5割ちょうどという高打率をマーク。「54本塁打&59盗塁」を達成したドジャース初年度の昨季も高い確率で初球を仕留めていた。  昨季までの通算初球打率は.398に達していたが、今季は打数こそ少ないものの.133にまで急落。この状態が続くようなら、首脳陣も気が気ではないだろう。
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不調すぎて“敬遠されない”事態に
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1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

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