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「使えるものを使って何が悪いんですか?」1社目は2週間、2社目は4日でスピード退職した28歳男性の主張

 いまや若者から中高年まで使う退職代行。退職妨害や精神疾患など使わざるを得ない状況がある一方で、その気軽さにハマりリピーターと化す人も続出している。使い方によっては“中毒性”がある退職代行の側面に迫った!

2社連続でスピード退職…「使えるものは使う」主義

[退職代行リピーター]の実態

「逃げグセなんてついてないですよ。ヤバい会社だから退職代行を使っただけ」と井村さんは明るく笑った(※画像はイメージです)

「退職代行を使った1社目は2週間で、2社目は4日で辞めました。そもそも、勤めた会社がヤバかったから利用しただけですし、使えるものを使って何が悪いんですか?」  そう話すのは、井村雅也さん(仮名・28歳)。井村さんはデザイン系の専門学校を卒業後、5年勤めたデザイン会社からステップアップするため退職。その後、転職した2社を短期間で辞めている。 「1社目は書籍を扱う小売りの会社。入社したらデザインとは無縁の工場部門に配属されて、『話が違います』と上司に言っても適当に流されるだけ。しかも機嫌が悪いとブチギレられて話にならない。それなら辞めてやる!と2週目の金曜の退勤後に退職代行モームリに連絡。次の月曜には退職完了してやりました」

「会社も結局は入社ガチャ」

 退職から3週間後、井村さんはエンタメ系の会社に入社。しかし、2回目はさらに早く退職代行を使うことになる。 「2社目で配属されたのは検品の部署。また希望してたデザイン部とは違ったので初日で辞める決心がつきました。4日目の昼休みにモームリに連絡するとリピート割も適用されるし、ラッキー!と思いながらその日付で退職。2社目は超気楽に連絡したんで、1社目と違って退職代行を使う迷いは一切なかったです」  話が違うとはいえ、職探しがテキトーすぎやしないか。 「話が違うのを見極められなかった自分も悪いですけど、会社もガチャと同じで入社してみないとわからないじゃないですか。退職代行を使って後悔はないし、むしろ即ヤメできて本当に助かりました」  現在は映像制作会社で半年ほど勤続中の井村さん。今度はすぐに辞めないことを祈る。
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産業カウンセラーが語る「若者たちはなぜ退職代行に走るのか?」
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