はじめての刺青は「開成高校3年生のとき」“退職代行を作った男”が語る異色の半生
なにかと話題になる退職代行。現在、退職代行業者としてよく耳にするのが『モームリ』だが、その礎は『EXIT』によって作られた。同社共同創業者のひとり、岡崎雄一郎さんの経歴は異質だ。東京都私立御三家の筆頭・開成中高を卒業後、アメリカ留学。帰国後は解体工や黒服などを経て、起業家に転身した。前述の『EXIT』を立ち上げたのは28歳のとき。異様なことなら、他にもある。腕から首にかけてつたうように伸びる刺青だ。彼の礼儀正しさや聡明さとあまりに不揃いな外見に、思わず目を奪われる。
岡崎さんは何を考え、どのように人生を舵取りしたのか、半生に迫る。
――中学受験を経て、超難関校の開成中学校に通われていたと伺いました。中学受験を志すまでの経緯を教えてください。
岡崎雄一郎(以下、岡崎):そうですね。今思い返せば、私は“いやな子ども”だったなと思います。地元の公立小学校に通っていたのですが、どうしても教師を賢いと思えなかったんです。どちらかといえばアホだと思っていました。自分がアホだと思っている人に教わるのは非常に苦痛じゃないですか。
記憶が曖昧ですが、母親から「まともな中学校へ進学すれば、そうは思わなくなる」というニュアンスのことを言われたと思って。それで中学受験をするために塾に入り、自由な校風に惹かれて開成を受験をしたという経緯です。
――勉強で苦労したことはありませんでしたか?。
岡崎:物わかりが悪いほうではなかったと思います。中学受験では、特に算数が好きで、解くのが楽しかった記憶があります。反面、社会や理科などの暗記系科目はあまり熱心にやらなかったため、自分のなかでは不得意な科目でした。あくまで個人的な感覚ですが、たぶん開成にも算数で合格したのではないかと思っています。
――完全に印象で申し訳ないんですが、岡崎さんは好き嫌いがはっきりしていそうですよね。
岡崎:それはあるかもしれません。会うたびに、母は私のことを「言うことを本当に聞かなくて、育てるのに苦労した」と言います。自分ではあまり自覚はないんです。でも言われてみれば思い出すのが、幼稚園のお遊戯会ですね。私はお遊戯をやらされるのが嫌いなんですよ。それで、ひとりでずっと砂場で遊んでいました。当然、保護者も見に来るので、母が私のことをぽつんと見ていたのは覚えています。
母から聞いたのは、幼稚園時代に自宅付近の公園に私を連れて行ったときの話です。制止する母の言うことも聞かずに、私がアヒルを追いかけて池に入ったらしいんです。母は当然、私を捕まえるために池に入ったんですが、そこは物凄くドブ臭くて……。池から上がると、公園に居合わせた周囲の人がザワザワして、冷ややかな視線を浴びたとか。私は覚えていないんですが、たいへんだったでしょうね。

岡崎雄一郎さん
小学校時代の教師を「賢いと思えなかった」
母からは「育てるのに苦労した」」と…
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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