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タイに“お試し”で1年半移住した夫婦のリアルな暮らし「チェンマイでの生活費は月4万バーツ(約17万6000円)ほどでした」

物価高や急激な円安の影響は大きく、日本で生活を続けることが「現実的に厳しい」と感じる人も少なくないだろう。 そんななか、自由な働き方と暮らし方を手に入れるべく、海外に活路を見出す日本人も存在する。YouTubeチャンネル「やなぎらいふ 世界試住」を運営するYANAGIさんもそのひとりだ。 現在はタイ・チェンマイを拠点に、夫婦で“世界試住”(世界各地をお試し移住)をしている。彼女が語る、海外でのリアルな日常とは——。

結婚を機に「今のうちに海外へ」

やなぎらいふ

お試し移住の旅で訪れたトルコ・カッパドキア。夫のやまさん(左)と、YANAGIさん(右)以下、すべて提供写真

「世界試住を始めたのは27歳のときです。それまでは関東のアパレル会社やメーカー営業の仕事をしていました。海外で暮らしたいと考えるようになったきっかけは、結婚したときに夫婦で『これからどこに住みたい?』って話し合ったことです。最初は日本で暮らすつもりでしたが、まだ子どももいないし、親の介護も必要なかった。『今なら自由に動けるよね』ってことで、思い切って海外に出ることを決意しました」 2022年、コロナ禍のタイミングで、2人は勢いで“お試し移住”の旅に出る。最初の地に選んだのは、PCR検査が不要だったカンボジアのプノンペン。その後も、タイのバンコク、トルコのイスタンブール、ジョージアのクタイシ・トリビシ、トルコのイズミル、ベトナムのダナン、インドネシアのバリ島、マレーシアのペナン島と、滞在可能なビザの範囲内で各国を回った。 「チェンマイを訪れたのは2024年の1月でした。もともと行く予定はなかったんですが、フリーランスの友達から『すごく良いところだよ』と勧められて。それで実際に行ってみたら、バンコクとはまた違って都会と自然のバランスが絶妙で街もコンパクト。食べ物も美味しくて、『ここなら長く住めそう』って感じました」

チェンマイでの生活費は夫婦2人で月4万バーツ(約17万6000円)

チェンマイ

チェンマイで暮らしていた家

その後、ノンイミグラントED (教育)ビザを取得して語学学校に通いながら、約1年半チェンマイで暮らすことになったYANAGIさん。実際の生活費はどのようなものだったのだろうか。 「日本人も多く住むニマンヘミンというエリアのコンドミニアムに住んでいて、1ベッドルーム(1LDK)で家賃は1万7000バーツ(現在のレートで約7万5000円)でした。食費はほとんど外食で、ローカルなお店はもちろん、おしゃれなカフェや日本食レストランにもよく行ってました。チェンマイって、バンコクと比べて日本食が安いんですよね。生活費は家賃込みで夫婦2人で月4万バーツ(約17万6000円)ほどでした」
浴槽

タイでは珍しい浴槽付き

プール

敷地内にプールがある

海外試し住みを始めたタイミングで、それまで日本で続けていた仕事をきっぱりと辞めたというYANAGIさん。現在の主な収入源について聞いてみた。 「今はSNSディレクターとしての仕事が本業で、YouTubeは副業として続けています。夫(やまさん)はもともと副業でSNSマーケティングをやっていたんですが、それ一本でも十分に生活できるようになってきたので、今では独立しています」
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無収入期を乗り越えて
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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