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クレープに「年間100万円以上使う」50歳男性を直撃。27年間勤めた仕事を辞め、クレープ屋を目指すも「400万円一括で振り込んだ業者が倒産」

近年クレープ人気が再来していて、実は出店数が増加傾向にある。最近のクレープは、パリパリの生地そのものを味わったり、ホイップクリームや果物にこだわりを持っていたりと、従来のものと比べてかなり個性豊かなクレープに人気が高まっている。もちろん“映え”るわけで、有名店ともなれば行列を覚悟するべきだろう。 ハマるのはなにも若者だけにとどまらない。今回インタビューしたのは、4年前に生まれて初めて食べたクレープに魅せられ、クレープ屋を開業するに至った50代の男性だ。 2025年4月15日に放送された『マツコの知らない世界』(TBS系)に出演した大阪府在住のゆたかさん(50歳)は、クレープを年間100軒以上食べ歩く“クレープマニア”だ。ハマりにハマった結果、27年間勤めていた職場(警察官)を退職し、自身の店「ゆたかなクレープ (yutaka_na_crepe)」開業に乗り出した。ところが、夢を実現して順風満帆……とはいかず、さまざまなトラブルに巻き込まれたそうだ。いったいどんなことがあったのか。
「ゆたかなクレープ」のゆたかさん

「ゆたかなクレープ」のゆたかさん

“とある理由”でヒマになり、クレープにハマる

--クレープにハマったきっかけを教えてください。 ゆたか:結婚して子供が生まれた時に元嫁さんから、グルメやジョギングといった趣味は全部やめさせられてたんです。掃除も洗濯も頑張ってやっていたにもかかわらず、4年前に原因はわからんのですけど、急に喋らんようになってしまったんです。 --急に喋らなくなったなんて、怖すぎますね。原因は今も分からないんですか? ゆたか:僕は酒も不倫もギャンブルもしないし、喧嘩もしない。離婚調停でどういう原因か教えてほしいって言ったんですけど、答えをくれませんでした。ずっと趣味は制限してたんですが、家庭内別居が始まり一人になってヒマだった時、YouTubeを見ていたらキッチンカーでクレープを売っている動画を見て食べてみたくなったんです。元々甘いものは好きだったんですが、僕が「はじまりのクレープ」と呼んでるライオンパーラーのクレープを食べたら、美味しくて接客も素晴らしくて、ハマってしまいました。

クレープに「年間100万円以上は使う」

「ゆたかなクレープ」のゆたかさん

クレープを食べ歩くゆたかさん

--愛知県と大阪府で年間100軒ほどのクレープを食べ歩いているということですが、きっかけもあったのでしょうか? ゆたか:YouTubeをやっているキッチンカーのクレープ屋さんが愛知にあって。お花のクレープがあまりにも可愛くて「食べてみたい!」と思っていたら、大阪のキッチンカーをしている人が知り合いだったので紹介してもらいDMしたんです。その方が食べ歩くのも好きな方で、一緒にクレープ店を回るほどの仲になりました。 --大阪から愛知は、近くはないと思いますが、年間でどれぐらいお金を使っていますか? ゆたか:愛知は“第二の故郷”というほど通っていますが、どれぐらいお金を使ったんでしょう……。計算したことはないけど、限定もののクレープが好きなので、だいたい1つで1000円以上するし……。交通費もかかるんで、年間100万円以上は使ってるんじゃないですか。でも僕は、クレープにしかお金を使わないんですよ。遠征でクレープを食べる日は3食クレープしか食べない。ご飯も食べない。最後の締めにコーヒーを飲むのがルーティンになってます。なぜなら途中でコーヒーを飲むと、クレープの味が変わってしまうんでね。 --食べるのは3食とも甘いクレープですか? ゆたか:惣菜系のクレープは食べないので、朝昼晩と甘いクレープです。 --クレープを食べる時のこだわりはありますか? ゆたか:絶対にスプーンで食べることです。カバンにはマイスプーンが入っていて、果物はどこの産地か、ホイップクリームは?……と想像しながらチビチビ食べています。そして包装紙は破らず、キレイに剥がします。包装紙はお店の看板だと思ってるので、食後に眺めるのが好きなんです。生地の気泡が出るところと、出ないところなど、いろんなデザインの形があるのが楽しくて、クリアファイルに入れて保管しているほどです。初めて行ったクレープ屋さんでは必ず持って帰るので、300枚ぐらいはあるんじゃないかな。
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400万円振り込んだのに、車が来ない…
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放送作家を経てフリーライター&作詞家として活動中。好きなテレビ番組は「ザ・ノンフィクション」、好きなラジオはTBSラジオ、得意料理は春巻き。得意領域はカルチャー、音楽、芸能、住宅、美容など。Twitter:@rokohiroko
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