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「姉ちゃんのせいだよ!」おとなしく真面目な弟が壊れた日…姉が見た「異常な部屋」の光景

 生きているとたまに出会う、やさしくて真面目な聖人君主のような人。けれどその人は、本当に自宅やひとりのときでも同じように人格者なのだろうか——。 「疑問に感じたら、私たち家族のようなケースもあることを思い出してほしい」と岩下晴美さん(仮名・40代)は話す。

評判も家族仲も良好な弟

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画像はイメージです(以下同) 
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 晴美さんの弟・拓実さん(仮名・30代)は、おとなしくて真面目な性格で、ご近所さんや学校関係者からも評判がよく、小さい頃から父親の友人である経営者から気に入られていた。そして拓実さんは、大学卒業と同時に父の友人が経営する会社へ就職。活躍している様子だった。 「父にとって拓実の存在はかなり自慢のようでした。弟は周囲からの仕事や性格面の評判が良いだけでなく、家族にもやさしく誠実。私を含めて家族の誰もが弟のことを大好きで、自慢で頼れる存在だと思っていたのです」  ただ晴美さんと両親は、拓実さんには直接確認できない心配なことがあった。それは、聖人君主のような弟に、なぜか親友と呼べるような友だちや彼女ができないということ。拓実さんはいつの頃からか、学校から真っ直ぐ自宅に戻って自室で過ごすようになっていたという。 「それは拓実が社会人になってからも続いていました。私は弟と歳が離れていたので、結婚後は10年ぐらい別で暮らしていましが、両親からの話を聞くと少し心配で……。そんなある日、夫は出張。子どもは友だちとキャンプのお泊りイベントへ出かけたため、私だけが実家へ行く機会があったんです」

入院で明かされた「異常な部屋」

 ところがその日、弟の拓実さんが食中毒で病院へ運ばれるという事態が発生。意識も朦朧としているほど重症だったため、着替えなど入院準備をしようと拓実さんの部屋へ入った晴美さんは絶句。その部屋は、まるで泥棒でも侵入したかのように散乱していたのだ。 「しかも人形のようなものに名前を書いた紙が巻かれ、カッターナイフなどで切り刻んであったんです。とくに私の名前が書かれたものはとても多く、残酷な状態だったこともショックでした。弟に恨まれている自覚もなかったのでなおさらです」  いても立ってもいられず退院した直後の弟に事情を聞いてみた晴美さん。人形のようなものを傷つける行為は、弟のストレス発散方法だったことが判明する。そして、周りから「いい子」「真面目」「やさしい」などと言われ続けてきたストレスなどについて吐露しはじめた。 「すごく苦しかったこと、そして弟が聖人君主のような人間を演じるしかなかったのは私のせいだったと話しはじめたのです。弟とケンカをした記憶すらなかった私にとっては、寝耳に水。説明してくれるまで、原因もまったくわかりませんでした」
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弟が話した「衝撃的な事実」とは
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ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Xアカウント:@natukawanatumi5

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