「メモ取らなくて大丈夫?」をハラスメントと感じる若者たち。 20代と50代で“意識の格差”が生まれるワケ
社会保険労務士白書2024年版によれば、20代と30代の社会保険労務士(以下、社労士)の割合は業界全体の7.0%しかいない。若手社労士の横のつながりを作るため、ロープラス社会保険労務士法人の代表・永井拓至氏が呼びかけ人となって決起された「社労士7%Club」。「新しい働き方を生み出していく」をモットーに、20代と50~60代の男女1,000名(各500名)を対象に、ハラスメントに関する意識調査を実施するなど、精力的に活動することで知られる。永井氏へのインタビューを通し、年代におけるハラスメントに対する考え方の違いを考える。
――そもそもですが、社労士とはどんなお仕事でしょうか。
永井:すごく簡略化していえば、「人々が安心して自由に働ける環境を作る仕事」になると思います。具体的には、企業における就業規則や雇用契約書などのルールを整備したり、労務管理や指導を行うこともあります。また、社会保険関連の業務も担っていて、給与計算とか健康保険証の発行なども行います。労働者と経営者双方の立場を理解しながら、業務が円滑に進むのを手助けする仕事だと思います。
――永井さんは最初から社労士を志したのでしょうか。
永井:いえ、大卒後すぐは、士業向けの雑誌の編集者をやっていました。特集される士業の中に社労士があって、顧問契約が取れれば安定的に収入が得られるし、社会にも貢献できる点に魅力的に感じたのが志すきっかけでした。2019年に社労士資格を取得し、2021年に開業しました。
――ハラスメントについての意識調査、非常に興味深く拝見しました。日頃何気なく使っていそうな言葉のなかに、若手がハラスメントだと感じるものもあるんですね。
永井:そうですね。たとえば、「いま教えたことをメモ取らなくて大丈夫?」という言葉について、50〜60代では「ハラスメントに該当する」と答えたのは2.4%でしたが、20代では5.6%がそう回答しています。顕著なのは「これくらい金額を安くしてくれない? 冗談だけど」という言葉について、50〜60代のうちハラスメントだと答えたのは約10%でしたが、20代ではその倍近くいました。
――総じて、若い世代ほど「ハラスメントだ」と感じていて、年配になると「そんなことはない」という認識なのですね。
永井:そうです。ただ、ここで強調したいのは、「ハラスメントと感じる」のは個人の受け止め方であって、法律上の定義とは異なる点です。ハラスメントとは、「1. 優越的な関係を背景とした言動であること、2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えていること、3. 労働者の就業環境が害されること」であると定義されています。そうした視点でみると、「メモ取らなくて大丈夫?」というのは、業務上関係のあるアドバイスであり、法律上はハラスメントに該当しないでしょう。

永井拓至氏
社労士ってどんな仕事?
「メモ取らなくて大丈夫?」がハラスメントに
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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note:永井拓至@Z世代の気持ちがわかる社労士
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