「1000円横領で退職金1211万円がパー」京都市バス運転士の“ちゃぶ台返し”判決。元裁判官「司法は機能していない」と指摘するワケ
―[その判決に異議あり!]―
京都市交通局のバス運転士が運賃約1000円を着服したとして懲戒免職となり、退職金約1211万円も全額不支給となった処分を取り消すよう求めた訴訟で、最高裁は4月、退職金全額不支給処分を取り消した高裁判決を破棄。これにより男性側の逆転敗訴が確定した。
ネット上では「さすがに厳しすぎる」という声も多く上がっているが、“白ブリーフ判事”こと元裁判官の岡口基一氏は、この「バス運転士退職金不支給処分訴訟」について、独自の見解を述べる(以下、岡口氏の寄稿)。

1000円横領で退職金がパー。処分は妥当か? 重すぎるのか?
司法の意味を理解しない秩序維持派が制度を殺す
―[その判決に異議あり!]―
おかぐち・きいち◎元裁判官 1966年生まれ、東大法学部卒。1991年に司法試験合格。大阪・東京・仙台高裁などで判事を務める。旧Twitterを通じて実名で情報発信を続けていたが、「これからも、エ ロ エ ロ ツイートがんばるね」といった発言や上半身裸に白ブリーフ一丁の自身の画像を投稿し物議を醸す。その後、あるツイートを巡って弾劾裁判にかけられ、制度開始以来8人目の罷免となった。著書『要件事実マニュアル』は法曹界のロングセラー 【関連キーワードから記事を探す】
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