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居酒屋でも相次ぐ“見えない値上げ”…とある大手チェーン店は、内税を“外税”にこっそり変更

 帝国データバンクの予測によると、6月以降の値上げは、食料品だけでも2万品超えの可能性。そんな物価高の嵐は夜の男の娯楽にも波及し、風俗にサウナと中年のささやかな楽しみさえも高騰中。一体どれほど値上がりしたのか? 徹底リサーチ!

こっそり内税を外税に。細かく値上げする戦法

[夜遊び値上げ]大調査

ライター・キンマサタカ氏

 ささやかな贅沢だった居酒屋でも、“静かな値上げラッシュ”が続いている。 「とある大手チェーン店は、内税を“外税”にこっそり変えました。実質10%の値上がりです」  そう語るのは、ライターで日本立ち飲み協会大使のキンマサタカ氏。実際の当該店舗を訪ねると、メニュー表に記された(税込み)部分が、黒マジックで塗りつぶされていた……。  お通し代や席料、チャージの価格も100~200円ほど上昇し、客にじわじわと負担がのしかかる。加えて、商品の原価を下げる工夫も静かに広がっている。 「冷凍唐揚げにポテトを添えて『唐揚げセット』にしたり、業務用スーパーで買える汎用食材でメニュー数を稼ぐスタイルの個人店が増えました。調理の手間は省けますし、原価も抑えられる。結果的に品数が減ってきている印象です」

「安い!」のは看板商品だけ?

[夜遊び値上げ]大調査

※画像はイメージです

 このように、あからさまな値上げを避けつつ“見えない値上げ”や実質的なグレードダウンでしのぐ店は増えている。小さな変化のようだが、日常的に通う客にとってはじんわりとこたえる差だ。 「客離れを懸念して大幅値上げはできないけれど、従来の価格帯では正直やっていけない。だから“ビール190円”といった看板商品だけ据え置いて、苦渋の決断として、他のフードやドリンクを10〜20円値上げするのが一般化しています」  仕事終わりの一杯くらい財布を気にせず飲みたいものだが——。

大手チェーン店の値上がりの相場

•お通し代:300円→500円 •サワー類:400円→450円 •唐揚げ:500円→550円 •鳥貴族:5月より全品370円から390円に •モンテローザ:5月よりフードメニューを平均5%値上げ •今後値上がりするもの……日本酒:5〜20%の値上がり 値上がりは個人店だけにとどまらず、大手居酒屋チェーン店でも。低価格チェーンで知られる「鳥貴族」も一律390円となる
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値上げの本番はこれから! リアル娯楽離れが加速する
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