「客がホストを脅すかも」改正風営法はホストクラブをどう変えた?“規制された色恋営業”を弁護士が解説
2025年6月28日、改正風営法が施行されました。
風営法とは、性風俗関連店の営業や、キャバレーやホストクラブ、パチンコ店、ゲームセンターなどの営業に関わってくる法律であり、時代の流れに応じてこまめに改正されていくものです。
……とはいえ、実際問題として今回の改正でどのような変化が生じたのか、イマイチわかっていないのも事実。
そんなわけで、今回は改正風営法について、6月に著書『歌舞伎町弁護士』を上梓した若林翔弁護士(グラディアトル法律事務所・代表弁護士)に、いろいろお話を聞いてみました。
実際に話を聞いてみると、実は改正風営法には意外と誤解されている部分が多いことが判明しました。
――まず、今回の風営法改正の背景にはどういった目的があるんですか?
若林翔弁護士(以下、若林):背景として大きいのは、悪質ホスト問題です。
ホストクラブでの高額支払いや、売掛金(飲食代をホストが一時的に立て替え、後日お客さんがまとめて支払うシステム)によって、立ちんぼやパパ活詐欺などが増加している。そこを規制するのが目的です。
――有名なのは「色恋営業」ですよね。ホストがお客さんに恋愛関係をほのめかして、お金を使わせる方法。
若林:悪質なホストクラブだと、そのあたりをマニュアル化して大勢のお客さんに大金を支払わせていた、という例もあります。
――そういった悪質なお店は、規制されても仕方ないかもしれません。ただ、ホストにお金を使うのは、いわば「推し活」と主張するお客さんもいると思います。推し活の結果、相手から「好きだ」と言われたいというのは、自然な感情だと思うんです。そこを規制しちゃうのは、人間の感情を法律でコントロールするみたいで、違和感があるんですが。
若林:たしかに「好きって言ってもらえないなら、ホストクラブに行く意味がない」という意見も聞きます。でも、それは誤解されがちな部分で、実は今回の改正では色恋営業そのものは規制されていないんですよ。
規制されたのは、色恋営業のなかでも「お客さんを困惑させて、お金を使わせる行為」です。たとえば「お金を使ってくれないと、もう会えない」と言ったり「ノルマが達成できないと降格しちゃうから、お金を使って」と頼んだりして、お客さんにお金を使わせる行為がNGなんです。
だから、そういう言動をしなければ、実はそこまで厳しい規制ではない、と考えています。
――じゃあ、ホストが女の子に「好きだよ」って言うのはOKだし、女の子が自分の意思でいくら大金を使ってもOK、ってことですか。
若林:OKです。むしろ、ホストのほうがお客さん側から脅される、なんて事案が増えるかもしれません。「私、色恋営業されたからんだから、お金を返して」という感じで。
――じゃあ、ホストも自衛しないといけないですね。愛の言葉をささやくときは録音するとか、LINEを保管しておくとか。「ちょっと待って、録音するから……好きだよ」なんて、雰囲気が台無しですけど。

若林翔弁護士(グラディアトル法律事務所・代表弁護士)
風営法改正の目的は
「色恋営業」がすべて規制されたわけではない
単純に「本が好きだから」との理由で出版社に入社。雑誌制作をメインに仕事を続け、なんとなくフリーライターとして独立。「なんか面白ければ、それで良し」をモットーに、興味を持ったことを取材して記事にしながら人生を楽しむタイプのおじさんライター
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